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<ニューハンプシャー州予備選>左右のポピュリストを勝たせた米政界への怒り

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月10日 16時10分

 その他、支持率の低下が続いていたジェブ・ブッシュが4位と息を吹き返すなど、アイオワとは構図が異なってきている。アイオワの直後は、「トランプ&クルーズ」のポピュリスト2名を、ルビオが「エスタブリッシュメント代表」として追う展開が予想されたが、現在はトランプの勢いが復活した一方で、ケーシック、ブッシュといった「プロ中のプロ」が盛り返して対抗する構図へと変化した。

【参考記事】サンダースを熱狂的に支持する若者たちは、民主主義を信じていない

 そうは言っても、トランプとサンダースという左右のポピュリストが大勝した事実は重い。ヒラリーの指摘にもあったように、ニューハンプシャーの有権者は、やはりワシントンの政界に対して明確な怒りを抱いている。そこには雇用不安と格差への怒りがあり、一部の富裕層やワシントンの政治家だけの利害で動いているように見えるアメリカ政治への不信がある。ヒラリー、そしてケーシック、ブッシュといった知事や知事経験者、そして上院議員であるルビオなどの「プロ」には、有権者の信頼を取り戻すための「問題解決の処方箋」が求められることになる。

<ニューストピックス:【2016米大統領選】最新現地リポート>

≪筆者・冷泉彰彦氏の連載コラム「プリンストン発 日本/アメリカ 新時代」≫

冷泉彰彦(在米ジャーナリスト)


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