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香港で起こった「革命」はなぜ市民の支持を失ったか

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月13日 6時3分

 もちろん若者たちの絶望は状況説明として正しい側面もある。議会は親中派が多数を占めるよう、経済界など各業界出身の議員が多数になるよう制度設計されている。約束されていた行政長官選出の普通選挙導入も失敗に終わった。デモやストライキで圧力をかけようにも香港政府には重大事項の決定権はなく、遠く離れた北京には影響を与えられない。植民地的悲哀とでも呼ぶべきか。まさに袋小路の状況だ。

 希望は見えないとしても、民主化への道があるとするならば、それは香港社会の支持が受けられる平和的運動以外にはありえない。絶望的状況を乗り越えて、正しい道を歩むことができるか。香港の社会運動は試練の時を迎えている。

[筆者]
高口康太
ジャーナリスト、翻訳家。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。独自の切り口から中国・新興国を論じるニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)。


高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)


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