2016年米大統領選挙とシンクタンク
ニューズウィーク日本版 / 2016年2月19日 18時4分
最後に、日本の人々に向けてこの点を強調しておきたいと思います。数年前、日本の大学生と懇談した際、「日本にはカナダのような国になって欲しい」との発言を聞きました。自分は本当に驚き、「カナダを模範としてはいけません。日本は大国であり、力のある国です」と強く訴えました。米国は、大国である日本の助けを必要としています。パンデミック、移民、自然災害、安全保障といった様々なグローバルな課題に対処していく上で、日米の協力は欠かせません。課せられた責任は非常に重く、そうした責任から逃れてはいけないのです。
二〇一五年七月三〇日
(ガーデンコートクラブにて)
[注]
ベイツ氏のコメントに関連し、ワシントン・ポスト紙は次の記事で各共和党候補の動向を詳しく紹介している。Phillip Rucker and Robert Costa, "In the 'credentials caucus,' GOP's 2016 hopefuls study policy and seek advisers," Washington Post, April 6, 2014.
[インタビュイー]
スコット・ベイツ Scott Bates
1965年生まれ。ヴァージニア大学ロースクール修了。ヴァージニア州務長官などを務めた後、2003年に下院国土安全保障特別委員会上級政策顧問に就任。同委員会のために『テロとの戦いに勝利する(Winning the War on Terror )』を執筆。その後、全米民主国際研究所(NDI)上級顧問、国防大学客員教授、国家政策センター副所長兼上級研究員等を務め、2012年から国家政策センター理事長。
[インタビュアー]
宮田智之 Tomoyuki Miyata
1975年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。在米日本大使館専門調査員、東京大学アメリカ太平洋地域研究センター助教等を経て、現在、國學院大学兼任講師。専攻はアメリカ政治(主にシンクタンク研究)。主な論文に、「アメリカにおけるシンクタンクの政治的影響力―教育改革を事例に」(『東京大学アメリカ太平洋研究』第13号、2013年)他。
※当記事は「アステイオン83」からの転載記事です。
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『アステイオン83』
特集「マルティプル・ジャパン――多様化する『日本』」
公益財団法人サントリー文化財団
アステイオン編集委員会 編
CCCメディアハウス
スコット・ベイツ+宮田智之 ※アステイオン83より抜粋
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