「ブッシュ王朝」を拒否した米世論2つの感情
ニューズウィーク日本版 / 2016年2月22日 11時40分
大統領選予備選の「第3ラウンド」は、3月1日の「スーパー・チューズデー」の行方を占う意味で、重要な位置づけがある。先週20日、その「第3ラウンド」として、民主党はネバダ州党員集会、共和党はサウスカロライナ州予備選が実施された。
民主党では、ヒラリー・クリントン候補が下馬評よりはやや優勢の「52.7%」対「47.2%」で、バーニー・サンダース候補を下し、サンダースの勢いはやや鈍った感がある。一方の共和党では、依然としてドナルド・トランプ候補が大差で首位を取り、マルコ・ルビオ候補が2位へと浮上した。
【参考記事】サンダース旋風の裏にある異様なヒラリー・バッシング
この「第3ラウンド」の大きな動きは、何と言っても共和党内の力関係に変化が生じたことだ。1位になったトランプは、ローマ法王との批判の応酬をしたり、FBIや裁判所の命令に反論中のアップル製品への「不買運動」を呼びかけたりと、相変わらず話題に事欠かない中で、32.5%の支持を集め、2位グループに10ポイントの差をつけて勢いを保っている。その一方で、2位以下のグループでは大きな変化が見られた。
まず2位に入ったルビオ(22.5%)だが、これはオハイオでの善戦後に「テレビ討論で同じ決めセリフを4回繰り返す」というミスを犯してニューハンプシャーでは大きく後退していたのが、完全に復活したという評価がされている。2位ではあったが、勝利宣言と言っても良い力強い演説には若々しいカリスマ性も感じられ、「共和党主流派のチャンピオン」という座を獲得したのは間違いない。
テッド・クルーズ候補についてはルビオと約1100票差という僅差の3位(22.3%)で、こちらの演説も「まるで勝ったかのような」力強さにあふれていた。だが、専門家の間では「南部の宗教保守票を固めきれないのでは、スーパー・チューズデーでの善戦は無理」という見方も強く、ほぼ同等の得票でありながら、ルビオとは明暗を分けたという評価が多い。
問題は3位以下で、ジェブ・ブッシュ(7.8%)、ジョン・ケーシック(7.6%)、ベン・カーソン(7.2%)の3名はいずれも1桁の支持率に沈み、上位3名からは大きく引き離された。そして、序盤戦で大本命という見方もされていた、ジェブ・ブッシュ(前フロリダ州知事)は、この結果を受けて選挙戦の「停止」を表明。事実上、撤退した。
知名度も政治的実績も抜群のジェブ・ブッシュが、どうしてこのような結果に終わったのだろうか?
この記事に関連するニュース
-
ルビオ次期国務長官を注視しよう(下)安倍首相の靖国参拝への支持
Japan In-depth / 2024年11月24日 19時0分
-
オプラ・ウィンフリーが「ハリス陣営から100万ドルもらった」報道を否定
東スポWEB / 2024年11月12日 13時59分
-
【アメリカ大統領選】今さら聞けない! 共和党、民主党の違い ファーストレディの“役割”とは
オトナンサー / 2024年11月5日 7時10分
-
アメリカ大統領選最終盤、勝敗決める激戦州はどんな場所? 争点をおさらい、ホワイトハウスの主になるのは誰だ
47NEWS / 2024年11月4日 10時0分
-
米大統領選で注目「ふたつのジェンダーギャップ」 ハリスとトランプのどちらに有利に働くのか
東洋経済オンライン / 2024年11月2日 17時0分
ランキング
-
1ロシア使用の北朝鮮製弾道ミサイルに“欧米や日本の部品” ウクライナ国防省が明らかに
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 7時59分
-
2英仏、ウクライナ派兵議論か=トランプ氏就任に備え―ルモンド紙報道
時事通信 / 2024年11月25日 21時46分
-
3対人地雷の「再び高まる脅威」懸念 国連事務総長 米の供与発表後
AFPBB News / 2024年11月25日 19時25分
-
4トランプ氏への2事件で起訴取り下げ 米特別検察官、容疑晴れたわけではないと強調
産経ニュース / 2024年11月26日 10時17分
-
5少年少女「相次ぐ見せしめ」の舞台裏…北朝鮮に秘密の思想統制法
デイリーNKジャパン / 2024年11月26日 4時43分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください