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ノイズこそ大切に守るべき創造性の種

ニューズウィーク日本版 / 2016年3月24日 10時55分

奥の固定席エリアとフリーアドレスである左手前のボックス席が共存するオープンなオフィス空間。

フリースタイルゾーンでは各自が思い思いの体勢で仕事に取り組む。

社員の多様なワークスタイルに対応するために

 今のオフィス(渋谷区神宮前)へは2015年2月に移転してきました。といっても一通りの工事が終わったのが同年5月のことで、今も少しずつ変化している途中です。

 以前のオフィス(渋谷区桜丘)は125坪で、現在は540坪ですから、スペースは4倍強に拡大したことになります。移転の理由はいくつかあって、1つは社員が増えてきて手狭になったこと。会社の規模が大きくなっても、組織の一体感を維持するためにワンフロアで働ける環境がほしかったんです。今のところ社員数は50人程度ですが、将来的に150人くらいに増えても一緒に仕事ができるということで、ここへ移転してきたというわけです。

 知的生産性の面でもいくつか改善したい点がありました。1つは、社員の多様なワークスタイルに対応しきれていなかったこと。例えば、桜丘のオフィスは活気があってコミュニケーションも活発でしたけど、引きこもって集中するのにふさわしい場所が少なかったんですね。2つある会議室の小さい方にエンジニアが引きこもってプログラムを書いたりしていて、そこは「精神と時の部屋」** と呼ばれていました(笑)。

 そこでオフィス刷新にあたって、引きこもれる場所を随所に作りました。フロアの奥に壁で仕切った集中エリアを導入したほか、海外とのカンファレンスに使うフォンブースでも仕事に没入することができます。フロアの隅や壁の陰にも、あえてちょっとしたスペースを空けてあるので、さりげなく引きこもることも可能です。

 同時に、コミュニケーションをより活性化して創造性の種ともなるノイズを増やしたいとも思いました。そこで固定席を設けて仕事の生産性や能率を確保しつつ、フロアのあちこちにテーブルとチェアを置いてフリーアドレスでも作業できるようにしました。また、靴を脱いで上がるフリースタイルゾーンでは、寝そべりながら新しいアイデアをひねり出したり、地べたに座ってのミーティングでフラットな議論を交わすこともできます。

壁全体がホワイトボードなので、どこでも図や数式を書きながら議論できる。

集中エリア。部屋ごとに壁の色を変えており、気分に合わせてブースを選べる。

壁一面のホワイトボードがスケールの大きな議論を生み出す

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