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ノイズこそ大切に守るべき創造性の種

ニューズウィーク日本版 / 2016年3月24日 10時55分

ニューススタンドに並ぶ紙媒体は、ニュースアプリの作り手の素養を磨く。

 フリースタイルゾーンやホワイトボード、ニューススタンド、そしてオフィス全体のなめらかさ。いずれも一見無意味に思えるかもしれませんが、僕らにとってはこうした環境が生み出すノイズこそ大切に守らなくてはならない創造性の種、イノベーションの呼び水なんです。

オフィス環境の向上は生活の質の向上に直結する

 良質なオフィスは、中長期的にいいモノづくりに影響を与えると思います。いいモノを作るためには、いいモノに触れている必要がある。僕らが作っているのはニュースアプリですけれども、それを通じてユーザーにどういういい体験をしてもらいたいかを考えるとき、人生のありとあらゆる体験や記憶がデザインや意思決定に影響を与えるわけです。

 最初に話したように、僕らは起きている時間のほとんどをオフィスで過ごすわけですから、オフィス環境を向上することは生活の質そのものの向上をもたらします。生活のあらゆる場面で脳の中で起きる感覚、何が心地よくて何が不快かといったことを自分が味わっていないと、それをどうやってユーザーに味わってもらうか思いを巡らせることができない。そこはマネジメントにおいて忘れてはいけないことだと思います。

 僕らは技術力を大きな武器にしているけれど、だからこそ技術だけが先走って、人間にとっての心地よさが置き去りにされることのないようにしなければいけない。細部にまでしっかりと気が配られたモノづくりを続けていくために日常の中に良質なデザインやコンテンツとの出合いが必要で、だからこそこのオフィスは僕たちのモノづくりの力を底上げしてくれるものと確信しています。

壁のホワイトボードにスケッチされたアイデア。

WEB限定コンテンツ
(2015.11.16 渋谷区のスマートニュース本社オフィスにて取材)

text: Yoshie Kaneko
photo: Takafumi Matsumura

※インタビュー後編:内面に響くテーマを設定し、社員のモチベーションを高める

スマートニュース株式会社は、独自開発のウェブ解析技術を基盤に各種ニュースメディアと連携したニュースアプリ「SmartNews」を150カ国以上に展開、ダウンロード数は世界で1500万を超えている。サンフランシスコとニューヨークにも拠点を持つ。代表取締役は鈴木健、浜本階生の両氏。2012年6月設立。
http://about.smartnews.com/ja/

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