1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

試作すらせずに、新商品の売れ行きを事前リサーチするには?

ニューズウィーク日本版 / 2016年3月25日 15時0分

インベンション・サイクル(Invention Cycle)

「想像力にあふれ、クリエイティブであり、イノベーティブであり、起業家的であるためには何が必要か。私は長い間、研究を重ねてきました。そして膨大なリストを作りました。そこから『1つの行動、1つの姿勢』へと絞り込んだのです」と、シーリグは言った。

「想像力」「クリエイティビティ」「イノベーション」「起業家精神」の順に、それぞれ「1つの行動、1つの姿勢」をキーワードとして提示し、具体例を挙げて説明していくシーリグ。巧みなプレゼンテーションで聴衆を巻き込むのがうまいだけでなく、わかりやすい構成なので、頭に入ってきやすい。

 まずは想像力。キーワードは「Engage & Envision」である。すなわち、何かひとつのことにどっぷり浸かること、今あるものに代わるものを思い描くこと。

 ここでシーリグが例に出したのは、書籍でも取り上げているスコット・ハリソンのエピソードだった。すさんだ生活を送るナイトクラブのプロモーターだったが、心を入れ替え、世界の8億人に清潔な飲料水を届けようとNPOを立ち上げた男だ(参考記事:悪行をやり尽くした末、慈善活動家になった男の話)。

 次がクリエイティビティで、キーワードは「Motivate & Experiment」。やる気を高めることと、実験を繰り返しながら課題を解決しようとすることである。

 冒頭に挙げた「マックスパゲッティ」の話は、シーリグがクリエイティビティの例として出したものだ。投資する前にテストし、実際に製品を作るかどうか判断する手法を「プレトタイピング」と呼ぶらしいが、その一例として、聴衆にクイズを出したのである。要するに、プロトタイプの前の段階の実験であり、頭を柔らかく保つのにも役立つ方法だという。

 その後も、時には短い動画を流しながら、シーリグはイノベーション、起業家精神と順に説明していく。イノベーションのキーワードは「Focus & Reframe」(フォーカスすること、状況を捉え直してユニークな解決策を生み出すこと)で、起業家精神のキーワードは「Persist & Inspire」(粘り強く続けること、周りの人を巻き込むこと)だ。

 自分が受け持つスタンフォードのオンライン講座で、1つの課題に対して解決策を最低100個考えるよう受講生に要求したエピソードも披露した。10個ではなく、100個である。起業家として成功するには――あるいは、豊かな人生を切り拓くには――、そのぐらいReframeやPersistが必要ということだ(参考記事:「解決策を100個考えなさい」とティナ・シーリグは言った)。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください