中国商務部対北朝鮮制裁リストを発表
ニューズウィーク日本版 / 2016年4月6日 17時0分
三、航空ガソリンやナフサ(石脳油)類を含めた航空燃料、軽油類航空燃料、軽油類ミサイル燃料などの航空燃料の北朝鮮への輸出を禁じる。
但し、以下の二つを除外する。
1.国連安保理制裁委員会がすでに特別に批准した北朝鮮に対する基本的人道主義のニーズに応じた航空燃料。但し、この特別措置が、それ以外の運送目的に使われていないかどうかを監視する。
2.北朝鮮と国外を往復する民用航空機に使う航空燃料。
四、運航禁止とした品目の詳細なリストは附則書類1にある。
(筆者注:附則書類1には以上の禁止品目に関する詳細なリストが、所管の税関と商品番号とともに25項目ほど列挙してある)
線引きは可能なのか?
上記公告は、発布と同時に執行すると謳ってあるが、しかし禁止品目と各除外品目の間の線引きは、実際上、可能なのだろうか?
米とか小麦などの食料品は区別できるが、それとて人道的に庶民に渡るか否かも疑問だ。ましていわんや、一や三などの線引きが可能とは思いにくい。民間航空機などの運行とか、人命救助のための救急ヘリコプターなどの航空燃料が、軍用目的に転用されていないかは、どのようにして区別するのだろうか?
個人的な話で申し訳ないが、筆者はかつて(1947年~48年)、中国共産党軍によって食糧封鎖され、その中で餓死により家族を失い、包囲網から脱出する途中で餓死体の上で野宿した経験を持つ。そのために一時的に記憶喪失になったこともある。
したがって、その中国(中国共産党)が「人道的見地からの配慮」と強調することに、複雑な違和感を覚えるのである。非人道的な方法で数十万の無辜の民(中国人)を餓死させておきながら、今もなおその事実を認めず、犠牲者を含めて真相を語る者は「犯罪人」として拘束しているのが中国だ。その中国が「人道的見地から」という言葉を発したときに、戦慄を想起させる疑念と思い出したくない記憶への恐怖を覚えながら、中国の真相を追及しようという気持ちが抑えがたく湧いてくるのである。その執念がなかったら、このような執筆活動は続けていないので、個人的動機を挟むことをお許し願いたい。
ロシアの制裁遵守に関心を示す中国
中国はいま、たしかに厳しい姿勢で北朝鮮制裁に臨んでおり、むしろロシアが厳重に実行してくれるか否かを警戒している。
特にワシントンで開催されたばかりの核セキュリティサミットにロシアが欠席したことに注目し、米露対立に強い関心を示している。中央テレビ局CCTVでも、それをテーマとした特別番組が数多く組まれている。
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