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はったり営業もしていた若き起業家の「失敗論」

ニューズウィーク日本版 / 2016年4月11日 18時46分

 ひと昔前だと、ティーンエージャーの起業家が話題になるのは、アメリカなど外国が主だった。ところが最近は、まだまだ起業家マインドが足りないとされる日本でも、10代の起業家が増えている。もちろん絶対数として多いわけではないが、「女子高生起業家」として取り上げられるような女性もおり、目立つ存在だ。

 彼ら若き起業家たちの経験は、多くの面で参考になるところがあるだろう。だが、もしも彼らが、次に続こうという少年少女ではなく、30代や40代、あるいはそれ以上の年齢の社会人に向けて「経営論」を振りかざしたらどうだろう。どれだけの人が素直に聞く耳を持つだろうか。

 何も"振りかざしている"わけではないだろうが、この人物の言葉は傾聴に値すると言えそうだ。正田圭、現在29歳。15歳の中学校在学時に株式投資を始め、まもなくインターネット事業で起業。10代で1億円の資産を手に入れるが、カジノにはまったり、詐欺師に騙されたりして一度は一文無しに。その後、未公開企業同士のM&Aサービスなどを展開し、20代で10億円の資産をつくったという人物である。

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 ただ10代で起業したというだけではない。「経験豊富」というひと言では片付けられないほど強烈な体験を積み重ねてきており、「失敗から学べることはない」「起業は将来における自分の選択肢を狭める」「人脈はあまり重視しない」など、そこから導き出された痛いほどリアルな経営論はユニークで説得力がある。

 このたび、正田氏がその経験と経営論をまとめた新刊『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』(CCCメディアハウス)が刊行されたのを機に、同書から経営論を記したコラムの一部を抜粋し、3回に分けて掲載する。

 以下、まずは、正田氏が名古屋の高校在学中に友人とインターネット関連の会社を立ち上げ、卒業後に東京進出を果たした時期の話から。当時、社会人としてのルールを教えてくれる人もいないまま、はったりを利かせて営業をすることもあったという正田氏らは、失敗を積み重ねていた――。


『15歳で起業したぼくが社長になって学んだこと』
 正田 圭 著
 CCCメディアハウス


◇ ◇ ◇

失敗を繰り返さないためにすべき3つのこと

 この時期、僕は数々の失敗を繰り返していました。もちろん、この時期だけではなく、これからだって失敗は続くでしょう。僕は自分が今後どれほど成功するかはわかりませんが、まだまだ数々の失敗を繰り返すだろうということだけはわかっています。ここでは、「失敗」について考察してみます。

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