日本とエクアドルの巨大地震は、環太平洋火山帯の地震活動が活発化している結果かもしれない
ニューズウィーク日本版 / 2016年4月20日 19時0分
熊本県を中心とする九州地方で日本時間14日夜マグニチュード(M)6.5、16日にM7.3の地震が発生、多数の死傷者と被害をもたらした。続く17日(日本時間)には南米エクアドルでもM7.8の地震が発生、19日までに死者は400人を超えた。
太平洋をはさんだ2つの国で相次いで巨大地震が発生したことで、その関連性に注目が集まっている。しかし異なる地域、とりわけ遠隔地で起きた地震が新たな地震の発生にどのように影響を与え得るのかというと、話はかなり複雑だ。
余震
巨大地震は断層がずれることによって引き起こされる。断層の長さはM7クラスで20~30キロ、M9クラスになると1000キロ以上に及ぶ。
本震で地盤が突然大きくずれたために引き起こされる揺れを余震と呼び、主に本震と同じ断層帯上で発生する。余震は大地震が起きた直後にピークを迎え、その後は時間の経過とともに少なくなる。
しかし、周辺の断層面が固着しひずみに大きな力がかかっていると、短い周期の間に更に被害を拡大させる地震が起きる可能性がある。2004年に発生したモーメントマグニチュード(Mw=大きな地震のマグニチュードの単位)9.2のスマトラ島沖地震と翌年2005年にMw8.6を記録したニアス島沖地震は、短期間に集中して発生する巨大地震のクラスタリングの典型として知られている。
スマトラ島沖大地震は、2004年12月26日に発生したMw9.2の大地震と翌年3月に発生しMw8.6を記録したニアス島沖地震をはさむ2004年8月26日から2005年8月25日まで、12か月間という長期に及んだ。表のy軸は地震発生地点の緯度を示す。2004年12月の大地震では、震源地に近いバンダアチェ(青い矢印)から北へ1300キロにわたり断層がずれ、断層上の領域で余震活動が続いた。2005年3月のニアス島沖地震は、2004年の地震でずれた断層の南端に隣接するプレート境界で発生し、長期にわたる余震活動を引き起こした。2005年8月下旬までの9カ月間にM4以上の余震を4500回程度記録し、うちM5以上が560回に上った。表から、余震の規模は時間の経過とともに急速におさまっていくのが分かる。
被災した地域で新たな大地震が起きる危険が最も高いのは、本震発生の直後数日から数週間以内という。
2015年4月に発生したネパール地震(17日間でMw7.8とMw7.3の大地震が発生)は、こうした専門家の説を裏付けるものだ。
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