日本とエクアドルの巨大地震は、環太平洋火山帯の地震活動が活発化している結果かもしれない
ニューズウィーク日本版 / 2016年4月20日 19時0分
17日にエクアドルで発生した大地震を受けて、エクアドル政府をはじめパナマ、コロンビア、ペルーといった周辺諸国が、今後の余震や新たな大地震、津波に対する危機管理対策に万全を期す必要があるのは言うまでもない。
遠隔地で起きた地震の影響
それでは地球の反対側にあたる遠隔地で起きた地震が、新たな地震の引き金となることはあるのだろうか?近年地球規模で地震が頻発しているのは憂慮すべき事態なのか?
大地震が起きると、世界各地に設置された地震計が記録するのが「地震動」だ。地面で観測される地震波は離れた場所にある断層域にも伝わるため、その結果時折小さな地震が引き起こされることもある。
専門家はこの現象を「遠隔誘発」と呼んでいる。実際にいくつかの断層では、遠隔地で発生した大地震の地震波が到達した何時間も後になって遠隔誘発地震が発生した形跡が確認されている。しかし最近の研究では、遠隔地で発生した地震によってM5以上の地震が誘発されたという確たる証拠は得られていない。
前回の地震からどのくらい経てば、その後の地震活動は前回の地震と関連性がないと判断できるのか?
これについてはまだ不明な点が多く、今後は正確な統計分析とともに、最初の地震から遅れて起きる誘発地震が発生しやすい地理的条件に関する研究も求められている。
現時点で分かっているのは、最初の大地震から短期間の間に遠隔地で誘発されるひずみは極めて小さいものの、そのひずみが原因となって遠隔地で地震の頻度が増える可能性も多少はあるということだ。
地球の地震活動は安定していないということも分かっている。例えば、2004年以降に大地震が発生した頻度は20世紀と比較すると2倍以上だ。
1950~1965年にかけても、近年同様の大地震が各地で発生した。数十年単位で地震エネルギーの放出量が変動する理由については、今日に至っても未だ解明されていない。
この図は4月11~18日の間に起きたM4.5以上の地震を示している。発生地域の多くは太平洋周辺に集中しており、日本とエクアドルで発生した大地震後に両地域周辺で地震が頻発したのが分かる。資料:米地質調査所(USGS)
日本とエクアドル
4月16日未明に発生したMw7.3の熊本地震は、横ずれ断層型だった。震源は内陸の深さ10キロ、震源付近の断層帯は50キロに及ぶ。
地震によって土砂崩れや液状化現象、建物の崩壊など、各地に甚大な被害をもたらした。
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