「5年を1単位」としてキャリアプランを考えよ
ニューズウィーク日本版 / 2016年5月7日 6時35分
企業で順当に出世していく場合のキャリアアジェンダは次のようになる。
・就職後0~3年――基本的な戦略的スキルを取得
・就職後4~7年――部下が最低でも2人以上いる責任ある地位へ昇進
・就職後8~10 年――グループか部、事業部を統括し、マネジメント経験あるいは監督経験をする
・就職後 11 年以上――上級職の肩書きを持ち、会社の経営陣や経営委員会への発言権を持つ
・就職後 15 年以上――経営幹部へ昇格できるポジションにいる
各レベルでは、給与は着実に、かつ大幅に増えているはずだ。前章で見たように、業界情報をリサーチし、管理職向けの人材紹介業者と関係を保って給与水準を把握しておこう。アジェンダで決めたスケジュールを守ろうとするなら、目標達成のためにはおそらく会社を変わることを考えなければならなくなるだろう。転職するならば、実際の退社時期の少なくとも1年前に転職活動を始めるべきだ(このテーマは第8、9章で扱う)。
ことによると、あなたは大学を卒業した時点で自分のやりたいことがはっきりとわからず、いくつか職を変えてからキャリアを決めたかもしれない。この場合、スケジュールはかなり変わってくるが、それでも私が伝えたいメッセージは同じだ。就職後の早い時期に基本的なスキルを獲得していなければ、すぐに、できるだけ多く身につけるようにしよう。さらに新しいキャリアパスに就いてから4、5年以内には意思決定権限やマネジメントの権限を持てるよう努力しよう。面接では過去に仕事の経験があること(今回の求人とまったく共通点がなくても)を強調し、その経験があるからこそ新しい職務にすぐに有意義な貢献ができることを示そう。
起業家を目指すなら、当然キャリア計画はまったく違ったものになる。それでも達成目標の概要を描き、事業展開のスケジュールを作成しておくべきだ。成長計画の目標を見失わずにすむ公算が高くなるはずだ。
※シリーズ第2回:能力が低いから昇進できない、という人はめったにいない
『モルガン・スタンレー 最強のキャリア戦略』
カーラ・ハリス 著
堀内久美子 訳
CCCメディアハウス
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