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オフィスのウェルビーイングはすぐ始められる!

ニューズウィーク日本版 / 2016年5月27日 16時27分



 炭水化物過多でタンパク質不足という、そういう人は多いんです。血糖値が急に上がって急に下がるから午後に眠くなるんです。これをおにぎり1個、お味噌汁、ゆで卵というメニューに変えれば、栄養バランスが良くなるし金額も安くなります。どれもコンビニのものでいいんです。

 食べる順番も大事で、まずゆで卵から食べる。次がおにぎりで、最後にお味噌汁で締めます。ご飯を後にするのは、血糖値の急上昇を避けるため。味の薄いものからだんだん濃くして、最後に汁物を摂ると食事が深い満足とともに終わるんです。

 その女性社員に今話したことを実践していただいたところ、「眠くなりません。すごく満足のいくランチになりました」と報告をいただきました。それからその会社は、休憩スペースにインスタントのお味噌汁の素を常備するようになりました。朝ご飯を食べていない人はそこで食べるようにもなったんです。身体のコンディションが整えば仕事への取り組みも変わってきますよね。ウェルビーイングへ導くきっかけ作りになったと思うし、こんなふうにできることはたくさんあるわけです。

解決につながる行動をどれだけ積み重ねられるか

 組織は個人がウェルビーイングの状態になってもらうようなきっかけを幅広く提供してあげて、本人がその効果を実感したり、行動を変化させたりすることを促していく。そういう姿勢が重要です。

 オフィスでウェルビーイングを促進するなら、手洗いなど衛生指導を徹底することや、姿勢を良くするための正しい座り方を教えるといったことは即効性があります。知識がすぐ力になって効果がすぐ実感できるものは喜ばれますね。そういう具体的な行動、もっといえば習慣をデザインしてあげることが会社に求められている。

 小さいことばかり言っているけれども、小さく変えていくことこそが重要なんです。仕組み化しようとか理屈で考えていくと、大体大きな問題に行き着きます。そうすると社内の文化や同調圧力にどう対処するかという具合に、大きな解決策が必要になってくる。そして大きな解決策は実施されることは永久にないと考えた方がいい。

 それを嘆くのではなくて、まず自分の1日の生活のワクワクを増やすことが先決です。その意味で、手を洗うなんていうことはめちゃくちゃ簡単なんですよ。外付けキーボードで姿勢よくパソコンに向き合うとか、そんなことでいいんだと思うんです。

 小さく変えることが、結果として大きな変化につながるということをどれだけ信じられるか。「手を洗うぐらいで何が変わるんだ」と言うのは簡単なんですよ。変化を信じて、まずはやってみてほしい。ささやかでも解決につながる行動をどれだけ積み重ねられるかはポイントです。

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