日銀は国内景気の低迷を直視せよ!
ニューズウィーク日本版 / 2016年8月2日 16時10分
日銀はより思い切った追加緩和を
2013年4月に現在の日銀執行部が量的・質的緩和を始めて、すでに3年以上が経過した。しかし、消費者物価指数でみたインフレ率(前年同月比)は「生鮮食品を除く総合」でマイナス0.5%、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」でプラス0.4%といずれも物価目標(インフレターゲット)2%にはほど遠い。
このようにインフレ率が物価目標を達成できていないという事実そのものが、現在も失業率がNAIRUを上回っており、国内景気が停滞したままであることを示している。
日銀は現在の停滞を「海外要因」などのせいにせず、国内の景気が低迷していることを直視すべきだ。そして、より思い切った追加緩和策を検討し、次回の政策決定会合で実行に移すべきだ。なお、本来であれば具体的にどうすべきかについての筆者の意見も述べるべきだが、それは紙数の関係上またの機会に譲りたい。
[筆者]
矢野浩一
1970年生まれ。駒澤大学経済学部教授、内閣府経済社会総合研究所客員研究員。総合研究大学院大学博士課程後期修了。博士(統計科学)。専門はベイズ計量経済学と動学的確率的一般均衡理論。
矢野浩一(駒澤大学経済学部教授)
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