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うなぎパイの春華堂がニューヨーク進出、うなぎパイ抜きで!

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月11日 6時17分

 なんでも春華堂は、海外どころか浜松市外にさえ直営店を持たないそうだ。この方針は、創業者である初代社長の山崎芳蔵が掲げた「三惚れ主義(さんぼれしゅぎ)」に基づいているという。「一つ、土地に惚れること。二つ、商売に惚れること。三つ、家内に惚れること」。「浜名湖と言えばウナギ」という着想から誕生した「うなぎパイ」は、浜松の人たちが「これ、浜松のお土産です」と言って全国に広めてくれたことで成功できた「浜松でしか買えないお土産」なのだそうだ。

 ちなみに、三惚れ主義の「家内」は従業員のこと。「うなぎパイ」は今でもすべて、55人の職人たちが毎日20万本、すべて手作りで製造している。職人を大切にする春華堂にとって、海外でのイベントを通じて世界の一流シェフたちにその職人技を評価してもらうことは、社内への還元でもあるのだろう。

「うなぎパイ」の会社がニューヨークのプレミアイベントに出るというので駆けつけたところ、彼らが浜松から見据えていたのは海外ではなく国内だった――。春華堂の海外進出は、「うなぎパイ」をもって全国で愛されてきたファミリー企業による、日本と和菓子への恩返しなのかもしれない。

小暮聡子(ニューヨーク支局)


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