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ビットコインだけじゃない、ブロックチェーン技術を使った注目のスタートアップ

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月24日 17時15分

特徴2. データの改ざんが難しい

 複数に分散されている情報との整合性の有無を利用することで、悪意ある管理者がデータの改ざんを行おうとしても防ぐことができます。ビットコインのようなデータに高い極めて高い信頼性が必要な用途で利用されていることからも理解できます。

特徴3. システムの構築・運用コストが低い

 ネットワークの参加者が協力してシステムを構築することで、中央管理システムが不要になります。中央管理システムは、膨大なデータを破損させずに、24時間365日高い信頼性を持って運用されるインフラや、インフラを運用するための組織の運営、悪意あるデータ改ざんを防ぐためのルールや監視などが不要になります。ブロックチェーンを用いて構築すると、これらが不要になるため、より低コストで導入できると言われています。



ブロックチェーンの国内の市場規模は67兆円

 経済産業省は2016年4月に、仮想通貨ビットコインなどで使う技術「ブロックチェーン」の調査報告書をまとめ、潜在的な国内市場規模は67兆円になると予測しています。

 ブロックチェーンは、ビットコインのように金融での利用はもちろん、資産管理、認証、医療、IoTなど、様々な分野で利用が可能とされています。まだまだ実際のビジネスで運用されたケースは少なく、ブロックチェーンの特徴がうまく発揮されるか、予想外の問題が発生しないかなど、手探りのものも多いのが現状です。

参考: 「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査」を取りまとめました|経済産業省

ブロックチェーンを活用した非金融のスタートアップ

 非金融でのブロックチェーンの活用は、ただの想像や夢物語ではなく、すでにシリコンバレーを中心にブロックチェーンを非金融分野に活用しようとするスタートアップがいくつも誕生しています。実用にはまだ少し時間がかかるものも多いですが、ブロックチェーンの技術の特徴と、活用の可能性として参考になるものばかりです。

1. サプライチェーン管理 Skuchain



 Skuchainは、企業間のトレードファイナンスや、サプライチェーン・ファイナンスのためのブロックチェーンを利用したソリューションを開発しています。取引額が18兆ドルにも上る国際貿易では、そのほとんどが紙による管理に頼っており、信用状や、ファクタリングという古い仕組みが使われています。

 貿易の取引は、多くのバイヤー、セラー、物流会社、関税などの複雑な要素が絡み合い、大変複雑です。異なる国間での取引のため、トラブルも発生しやすく、取引にも時間がかかる傾向にあります。日々発生する支払い等の管理も企業の負担となっています。 Skuchainは、ブロックチェーンを用いた信頼性の高いデジタルのソリューションを提供することで、紙ベースのやり取りをなくし、コストを低下させることを目的としています。コストが下がることで、規模の小さな企業でも導入できるようになることも期待されます。

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