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ビットコインだけじゃない、ブロックチェーン技術を使った注目のスタートアップ

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月24日 17時15分

 このような取引の記録を保存する仕組みは、ブロックチェーンの特徴を生かしやすく、サプライチェーン以外の分野でも様々なサービスが登場することが予想されます。

2. 認証 Everledger, Verisart



 Everledgerは、ダイヤモンドの所有権や、取引の記録を保存する台帳をブロックチェーンの技術を用いて開発しています。 ブロックチェーンの特徴である改ざんの困難さを利用して、ダイヤモンドの所有権を証明します。所有者だけでなく、盗難時に保険会社が利用したり、警察が偽物や盗難の操作のために利用することもできます。

 似たサービスとして、Verisartがあります。これは、絵画などの美術品のやり取りの記録を保存するものです。美術品は何億、何十億という高値がつくことも珍しくありません。その一方、贋作は永遠の課題になっています。 Verisartは、ブロックチェーンを用いて美術品のやり取りを記録することで、美術品の所有権と、本物であるかどうかを証明します。その美術品のすべての譲渡、売買の記録が残っていれば、理論上は贋作を見分けることが簡単です。 また、過去に不正な譲渡、売買が行われていれば、その部分だけ取引のデータが記録されないことになるため、不正が行いにくくなります。



 これらのサービスは、ブロックチェーンの改ざんの難しさと、データが失われることがほぼないという特徴を利用しています。また、サービスを運営の仕組みという点でも、新しい形となる可能性があります。従来の中央管理型のサービスであれば、運営会社がシステムを構築し、運用します。コストは運用会社が全て負担し、システムの利用者に利用料を請求したり、広告などで収益化します。このため、収益化が難しいようなサービスを作ることが難しく、運営会社が潰れればサービスもどうなるか分かりません。

 また、ダイヤモンド、美術品というような高価なもののデータを扱う場合、もしデータが失われたり、ハッキングで壊されたりした場合、運営会社には訴訟され、多額の賠償を負うリスクがあります。ブロックチェーンを用いてネットワークの参加者が支えあう仕組みにすることでこのような問題が解決されれば、これまでは存在が難しかったようなサービスが提供されるかもしれません。

3. 分散型SNS Synereo



 Synereoはブロックチェーンを用いた分散型SNSです。FacebookやTwitterなどは運営会社が管理するシステムにデータが集められ、中央管理されていることに対して、ユーザーにも利益を還元するような仕組みを目指しています。

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