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ビットコインだけじゃない、ブロックチェーン技術を使った注目のスタートアップ

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月24日 17時15分

 ブロックチェーンの特徴から、従来のSNSのように運営会社の都合によってサービスが終了させられることがありません。次に、データが分散して保存されるため、検閲によってデータが削除されたり、修正されることはありません。 また、Synereoはアテンション・エコノミーという、自分の発言や投稿への注目を貨幣と同じように交換できる価値であるとする原則に沿って、利益を利用者に分配する仕組みを提供しようとしています。

 Facebookの場合、企業が広告主となりFacebook社にお金を支払うことで、Facebook社が利益を上げ、それを使ってサービスを運営しています。どんなに面白いコンテンツを投稿したとしても、その人にお金が入ることはありません。

 これに対しSynereoはユーザーに利益を還元する仕組みを持っています。AMPと呼ばれるSynereo内で使える仮想通貨が発行されます。AMPを使うと、自分の投稿を他の人にも見てもらいやすくなります。AMPは主に企業が自分たちの投稿を広告として広めるために使うと想定されます。Synereo内での人気(つまり注目度)に応じてユーザーにはAMPが還元されます。AMPはもちろんドルに交換することができます。

 Synereoは、AMPを事前販売するクラウドファンディングを実施してサービスローンチまでの開発費を集めており、自分たちや投資家のお金でサービス開発を行う従来のサービス開発とは、資金調達においても一線を画す方法を用いています。現在、Synereoはα版のリリースに向けて準備を進めています。ブロックチェーンを使ってSNSを作ろうとするのは驚きですし、実際にこの仕組みが成り立つか、非常に興味深い事例です。

 SNS以外のインターネットサービスでも、ブロックチェーンを用いればこれまでと違った形でサービスを構築できる可能性があります。

4. 未来予測システム Augur

 予測市場用のブロックチェーンを用いたオープンソースプロジェクトです。予測市場というのは、未来の出来事に対して不特定多数の人が賭けを行い、オッズに応じた配当が分配されるされる仕組みです。 未来の出来事とは、スポーツの結果はもちろん、アメリカ大統領選まであらゆるものが対象になります。単純な見方をすればギャンブルですが、学術的に見ると多くの無数の群衆の意見を集約してその出来事が起こる可能性を算出しているとも言えます。

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