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GE流インダストリアル・インターネットで、デザインが重要な理由

ニューズウィーク日本版 / 2016年8月25日 16時38分

「産業機械」「ソフトウェア」「人間」の3つの要素をつなげる

 GEが取り組むインダストリアル・インターネットとは具体的にどのようなものか。*

 まず、航空機、パイプライン、エンジン、鉄道など、あらゆる分野にオンライン化された機械、いわば"インテリジェントな機械"がある。数年前まではネットにつながっていなかったものも接続されるようになり、産業機器やデバイスが生み出す膨大なデータをソフトウェアで管理したり分析にかけることができるようになった。

 その結果をワーカーや管理者といった人間にフィードバックする。そこからさらに効率よくインテリジェントな機械を動かすように人間が工夫を加えていく。

【参考記事】ドイツ発「インダストリー4.0」が製造業を変える

「産業機械、ソフトウェア、人間という3つの要素をつなげ、よいシナジーをもたらすことで、初めてインダストリアル・インターネットが成立するのです」(ラウ氏)

機械、ソフトウェア、人間という3つの要素をつなげ、よいシナジーをもたらす。(ラウ氏提供の図版を元に作成)



1パーセントのインパクトで産業全体の無駄を削減

 ソフトウェアが人間に与える影響は大きく、そこにこそデザインの重要性があるといえる。

「これまで産業用部門ではあまり人間という要素が重視されてきませんでした。それは注目すべき点です。この産業という文脈の中で我々GEがリーダーシップを発揮できるのは人に着目しているからです」とラウ氏は述べる。

 デザインの際は常に人間を中心に考え、人間を産業のプロセスの中に取り込んでいるという。GEでは顧客に対して、エンドユーザーをどう巻き込んでいくかについてコンサルティングを行っているが、それはこういう背景があるからだという。

 もう1つ注目すべきポイントとして、インテリジェントな産業機械をつなげていくことで多くの無駄をなくすことが挙げられる。

 GEは航空、医療、輸送、石油、ガス、電力といった事業を行っているが、同社の試算では、例えば航空機の燃費を1パーセント改善すると15年間で300億ドル、石油・ガスで設備投資を1パーセント減らすと15年間で900億ドルもの費用が節減できるという。**

 医療や鉄道、エネルギー分野でも1パーセントがもたらす影響は極めて甚大だ。インダストリアル・インターネットによって省エネが実現すれば、産業全体において非常に大きなインパクトをもたらすことができるだろう。

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