93年、米国を救ったクリントン「経済再生計画」の攻防
ニューズウィーク日本版 / 2016年10月22日 7時12分
8月5日に行われた最終投票では、下院本会議で土壇場になって態度を決めかねていたマージョリー・マーゴリーズメズビンスキー議員(民主党、ペンシルベニア州選出)が賛成に転じ、218票対216票の僅差で可決にこぎ着けた。上院本会議では50票対50票で賛否同数になったが、上院議長であるゴア副大統領の「最後の1票」で辛うじて可決している。
ちなみに、下院で「最後の1票」を投じたマーゴリーズ=メズビンスキーは翌年の中間選挙で議席を失ってしまう。彼女には養子を含めて11人の子どもがいるのだが、息子の1人であるマーク・メズビンスキーはのちにチェルシー・クリントンと結婚し、クリントン夫妻の女婿となった。
両院ともに共和党からの賛成者は皆無であり、民主党からは下院で41人、上院で6人の造反者が出ている。両院ともに、あと1人でも造反者が出れば否決という大変な僅差であった。
※シリーズ第4回:ポスト冷戦の民主党を再生させたビル・クリントン
『ビル・クリントン――停滞するアメリカをいかに建て直したか』
西川 賢 著
中公新書
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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