部下の話を聞かない人は本当のリーダーではない
ニューズウィーク日本版 / 2016年10月28日 6時22分
<「リーダー失格」と烙印を押される人はどこがよくないのか? リーダーシップとは「経営者マインド」であり「団体競技」だとハーバード元教授のロバート・カプランは訴えるが、その真意とは>
投票日が目前に迫った米大統領選で、ついに自滅の様相を呈し始めたドナルド・トランプ。彼が快進撃を続けていた選挙戦序盤でよく訴えていたのが、「実業家として成功した自分が大統領になれば、強力なリーダーシップを発揮できる」という主張だ。
会社経営と一国の運営を同列に語っていいものかという疑問は残るし、そもそもトランプが実業家として成功しているのかも怪しいが、リーダーシップと「経営者マインド」が密接な関係にあることは間違いないらしい。
ゴールドマン・サックス元副会長にしてハーバード・ビジネススクール元教授のロバート・スティーヴン・カプランは、著書『「自分の殻」を打ち破る ハーバードのリーダーシップ講義』(福井久美子訳、CCCメディアハウス)の中で、「リーダーシップの基本は経営者としての心構えを持つことだ」と論じている。
MBA学生や企業幹部らにリーダー論を教えてきたカプランは、「リーダーシップとは何か?」との問いに、さまざまな答えが返ってくることに驚いた。「ビジョンを持って人々を導く人」「カリスマ性で人々を鼓舞する人」「利益を上げて結果を出す人」など、人によってリーダーシップの定義も求めるリーダー像も異なっていた。
だがリーダーシップを発揮するためには、共通認識があったほうがいい。そこでカプランは、本書で「リーダーシップの基本は経営者マインド」だと定義し、リーダーとしての心構えと、より良いリーダーであり続けるために必要なスキルを説いている。
【参考記事】管理職が陥る「自分なんて大したことない」症候群
カプランによれば、経営者マインドとは意思決定者の立場でものを考えて、自分の行動の結果に責任を持つこと。具体的には、①経営者になったつもりで自分の信念を見極め、②その信念に従って行動し、③目先の利益にとらわれず、顧客や地域社会に幸せをもたらす価値を提供することだという。
面白いのは、「経営者になったつもり」で考えればいいため、リーダーシップは誰でも発揮できるということ。企業のCEOや重役、政治家といった地位も肩書きも必要ない。経営者マインドを持って行動に移せば、誰でもリーダーになれるのだ。
その実例として、カプランは米北東部の小学校で働くカールという用務員のエピソードを紹介している。
この記事に関連するニュース
-
AppleやMetaも取り入れた、馬との触れ合いでリーダーシップ感覚をはぐくむ「ナチュラル・リーダーシップ」とは?
マイナビニュース / 2024年7月21日 11時0分
-
組織で活躍するために必要なリーダーシップを学ぶ女性向けリカレントプログラムの受講生募集開始女性管理職割合は低水準の12.1%、管理職に必要な心構え・スキルを学びキャリアアップの自信をつける 6~9月で説明会開催
Digital PR Platform / 2024年7月17日 14時5分
-
「出世はしたくないが成長を実感したい」Z世代の新人社員に慕われる新しいリーダーのタイプ
プレジデントオンライン / 2024年6月28日 9時15分
-
「トーマスをなくした」と泣く子を慰めたい…リッツ・カールトンの「上司の許可なしで30万円」という神対応
プレジデントオンライン / 2024年6月25日 8時15分
-
【参加者募集】注目のサマーイベント!アライブが提供する、子ども向け『リーダーシッププログラム』
共同通信PRワイヤー / 2024年6月24日 7時0分
ランキング
-
1米民主重鎮、決断を称賛=ハリス氏支持で対応分かれる―バイデン氏撤退
時事通信 / 2024年7月22日 9時50分
-
2パリ五輪、4355人を「脅威」として排除 仏内相明かす、大会の治安対策で
産経ニュース / 2024年7月22日 11時27分
-
3北朝鮮エリートの脱北ラッシュ、なぜ外交官なのか…海外生活で「目覚めた」
KOREA WAVE / 2024年7月22日 16時30分
-
4バイデン氏の撤退決断、米主要紙が評価 「勇気ある選択」「米国の最良の利益」
産経ニュース / 2024年7月22日 19時34分
-
5バイデン氏大統領選からの“撤退表明” トランプ氏「いんちきジョーは最悪の大統領」とSNS投稿
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月22日 11時43分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)