トランプ・蔡英文電話会談は周到に準備されていた?
ニューズウィーク日本版 / 2016年12月5日 13時40分
「何かあるにちがいない」とは思ったが、それはこの、「タブーを破った、次期米国大統領と台湾総裁との電話会談」だったわけだ。
「アメリカのTPP(環太平洋パートナーシップ協定)離脱により、中国の一人勝ちにはさせないよ」という、来るべきトランプ新政権の狙いの一つだろう。しかも電話代以外はかけずに、習近平政権には衝撃的な楔(くさび)を打つ。キシンジャー・習近平会談を誇らしげに報道しただけに、北京側としてはトランプ・蔡英文電話会談をそう大々的に批判報道するわけにもいかない。習近平の歯ぎしりが聞こえる。
予測不能なトランプ外交ではあるが、みごとなものだ。今後は米台関係と米中関係を、この視点からも注視していかなければならない。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
≪この筆者の記事一覧はこちら≫
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
この記事に関連するニュース
-
包囲網亀裂狙う習政権=台湾は関与低下警戒―中台「もしトラ」に備え
時事通信 / 2024年5月1日 17時48分
-
中国政府、福建住民の台湾観光再開を表明 国民党代表団と会談 次期政権発足前に揺さぶり
産経ニュース / 2024年4月28日 19時39分
-
イエレン米財務長官が訪中。日本を取り巻く「最大マクロ」の行方
トウシル / 2024年4月11日 7時30分
-
中国主席が台湾前総統と会談、「外部の干渉は家族の再会阻めず」
ロイター / 2024年4月10日 20時8分
-
台湾の馬英九前総統、北京入り 習近平主席、10日会談の情報も
共同通信 / 2024年4月7日 19時22分
ランキング
-
1ラファ東部から「10万人退避させている」 イスラエル軍
AFPBB News / 2024年5月6日 16時28分
-
2勝敗のカギ握る?第三の候補に注目 アメリカ大統領選まで半年【現場から、】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月6日 12時12分
-
3バイデン政権、米国製弾薬のイスラエル輸送を停止か…ハマスとの戦闘開始後で初
読売新聞 / 2024年5月6日 17時10分
-
4ベルギーに亡命した中国内蒙古自治区政府の元法律顧問、逮捕時に没収された高価な孫文銀貨101枚の返還を習近平国家主席に要求
NEWSポストセブン / 2024年5月6日 7時15分
-
5習主席の妻、軍の審査委員就任か 香港紙報道、SNSに写真出回る
共同通信 / 2024年5月5日 23時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください