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渓流釣り&野営をミニマルに楽しむアウトドアギア

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月3日 17時20分

河野辺 ええ。そのコミュニティで、キャピラリーフープシステムというトルネード燃焼するストーブを作っていた。それがおもしろいので自作してみたんですけど、すごく難しくて全然うまくいかないんです。でも欲しい。じゃあ、空き缶を使わずに削り出しで作ってみようと。

――なるほど。

河野辺 もともと私はデザイナーとして会社に在籍していたのですが、自分でものづくりをしたいなと思って独立して、まずリールを作ったんです。何十個か制作して販売しましたが、フライフィッシングは人口が少ないので、リール作りでは食べていけなかった。でも、それを1年続けたことで、金属加工のノウハウを培うことができました。この技術で、削り出しのアルコールストーブが作れるなと思いついたんです。

まずFacebookでアルコールストーブの制作過程を公開したところ、結構な反響があった。そこで、クラウドファンディングを足掛かりにして販売を始め、ブランドを軌道に乗せることができました。



――アルコールストーブは最初から完成度がとても高かったですよね。

河野辺 当初は、内側のパーツが削り出しで、カップ状の外側は職人が手仕事で作っていました。へらしぼりという技法で、板をへらで絞って形を変えていく。それもすごい精度なんですけど、削り出しに比べると若干の3D的な歪みが生じる。それが原因で不完全燃焼が起こったりもしてしまいました。
いま販売しているモデルでは、外側も削り出しで作ることができるようなりました。

――外側を削り出すとなると、使う部分は材料全体のほんのわずかになるので、コストの面で大変そうですね。

河野辺 まさにそこがネックでしたが、何とか販売できる価格にすることができました。かつ、いままでよりも硬いアルミも使っています。

――見た目がとても美しい。

河野辺 内側に串のようなパーツが入っていて、3層構造です。アルコールストーブとしては高いんですけど(※RSR Stove 2nd 税別8,000円)、工程を考えるとどうしてもこの価格になってしまいます。単に火が出ればいいのであれば他の選択肢がありますが、それだけではない魅力を感じてくれる人に使っていただければ嬉しいですね。

現状はまだ手作業の工程があってそこまで作れないのですが、今年はさらに構造を見直して、もっと量産できるようにしたいと考えています。

超軽量簡易カマド「ネイチャーストーブ」



――ネイチャーストーブについてお聞きします。このプロダクトの構造も、かつてないものですよね。

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