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「世界一の祝祭」リオのカルナヴァルは熾烈なリーグ戦だった

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月27日 15時19分

もう1つが、メインスタジアム(サンボードロモ)で行われるカルナヴァルだ。サンボードロモとは、サンバパレード専用のスタジアムのこと。ブラジル出身の世界的建築家オスカー・ニーマイヤーが設計した約9万人を収容するサンボードロモ・ダ・マルケス・ジ・サプカイで、2月24~27日に開催された。

これが、前述したメインイベントのリーグ戦である。地域密着の伝統的サンバ連であるエスコーラ・ヂ・サンバがすべて毎年新調したテーマ曲サンバ、歌、演奏、踊り、衣装、山車、全体の調和などによる「総合サンバパレード劇」による表現で熾烈に争う。採点対象役に対する9つの採点項目があり、36人の審査員による10点満点(=360点満点)によるジャッジがなされるコンテストなのだ。

サッカーのリーグ制と同じで、上位リーグの下位エスコーラは翌年、下位リーグに降格となり、下位リーグの優勝エスコーラは翌年、上位リーグ昇格となる。なお、1部リーグは12エスコーラ(1エスコーラ出場人数:平均約3500人)、2部リーグは14エスコーラ(1エスコーラ出場人数:平均約2500人)で争われる。サンボードロモ・ダ・マルケス・ジ・サプカイに出場できるのはこの上位2リーグまでで、3部以下は郊外の別会場で実施される(リオ市には全6部まであり、リオ市とその界隈の地域の83のエスコーラがリーグに登録されている)。

巨大で大掛かりな仕掛けのある山車は、パレードテーマ曲サンバのストーリーを表すもの。写真はアマゾンの森林保護を訴えるパレードをしたインペラトリス・レオポルヂネンセの数ある山車の1つ



外国のセレブも参加、日本人参加者はすでに数百人

こうしたカルナヴァルの楽しさは世界各地に飛び火し、本場リオのエスコーラ・ヂ・サンバへの外国人参加者も増加の一途だ。

サンバは2016年に100周年を迎えたが、リオのカルナヴァルへの外国人の参加は80年代から本格的に始まった。世界的有名人やセレブの観戦はもとより、90年代後半にはナオミ・キャンベルやリッキー・マーティンなど、リオのエスコーラのパレードに参加する有名人も出始めた。歴代のサッカー・ブラジル代表はもとより、マラドーナ、マドンナ、ジェニファー・ロペス等の南北アメリカ大陸のセレブたちは常連だ。

有名人も一般人も一緒になって盛り上がるのがリオのカルナヴァル。写真左:国民的歌手のイヴェッチ・サンガーロ/写真右:名門ポルテーラの重鎮チア・スリッカと抱き合い"老若男女のサンバ精神"を交わすロナウジーニョ

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