「世界一の祝祭」リオのカルナヴァルは熾烈なリーグ戦だった
ニューズウィーク日本版 / 2017年3月27日 15時19分
また、ファットボーイ・スリムをはじめ世界中のDJたちもリオに毎年集結している。実際、筆者がミュージシャンとして共演したデュラン・デュランのボーカル、サイモン自身からもその経験から魅力を語られたことがある。今年は米国のアフリカ系音楽を讃えるテーマでパレードを行ったエスコーラへのビヨンセ参加が噂されたが、妊娠したので絶ち消えに。このような話題は欧米のメディアでは頻繁に報道されている。
巨大な山車や衣装は毎年新調されるテーマ曲サンバに合わせてデザインされる
90年代後半から、メインスタジアムで行われるエスコーラのパレードで、採点対象役など重要な役で出場する外国人挑戦者も徐々に増えていった。2010年代には採点対象の打楽器隊や、オーディションのあるダンサー役などでも、世界中から本格的な参加を目指して来た人がほとんどのエスコーラにいるほどとなった。
日本人の本格参加も90年代に幕開けた。現地の各エスコーラに参加したり、カルナヴァルのメインスタジアムでのパレードに所定の衣装を買って参加したりという"誰でも参加できる一般的なパート"での参加経験のある日本人の数は、すでに累計で数百人に上るとみられる。
さらに、日本のアマチュア愛好家で、オーディションを通過して出場する採点対象役の打楽器隊経験者も少しずつだが増加している。一方、ダンサーはといえば、採点対象役ではないがオーディションが必要なダンサーとして出場する日本人は格段に増加している。しかし、実際は本場のパレードで採点対象役のダンサーとなった日本人は、未だに先駆者でプロになった中島洋二氏が唯一の例だ(「本場リオのリーグでの優勝に貢献した」と豪語し日本でのプロフィールとする日本人ダンサーは出てきているが......)。有能な人材の参入と活躍、それに正確な評価と検証が求められている。
重要な採点対象役である打楽器奏者と弦楽器奏者が演奏するのはいずれもブラジル・サンバ独自の楽器の数々
筆者はリオのカルナヴァルに1997年(当時19歳)に初めて参加し、今年で20年が経った。オーディションに通過し、採点対象の打楽器隊員としてさまざまなエスコーラで出場し続けているだけでなく、外国人初の公式認定打楽器指導者となった。また、日本やブラジル、そして第三国のメディアにもレポートするジャーナリストとしてもリオ市に登録されるようになった。エスコーラの運営・執行サイドでも活動してきた。
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