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「失業」が脳裏を掠める中、AIとの共生を模索する本を翻訳した

ニューズウィーク日本版 / 2017年3月29日 19時2分

――AIはユーザーからデータをどんどん収集してスマートになっていく。そのデータはたいへん貴重なのだが、データ提供者にはオンラインツールの無償提供という形でしか報酬は支払われないことを改めて思い知らされる。

●Let's start with what may sound a controversial idea: that there is a moral imperative for getting rid of certain types of work. To give an example most people can surely agree on, there were more than 1,000 chimney sweeps employed in Victorian London.
(議論を呼びそうだが、道徳的に失くすべき種類の仕事もあるから、まずそこから話を始めてみることにする。誰もが同意してくれそうな例を挙げてみよう。ビクトリア時代のロンドンには煙突掃除に従事している人が1000人以上いた)

――この一文から始まり、煙突掃除に従事していたのが児童だったこと、その劣悪な労働環境を示し、当時の技術革新により、児童による煙突掃除がなくなったことは「技術的失業」の良い例だったと指摘する。

●...Harvard University's economics professor Lawrence Katz has coined the term 'artisan economy'. Artisans are skilled workers, who often carry out their work by hand. During the Industrial Revolution, artisans were increasingly replaced as automation took over.... Today, there is evidence that trend is being reversed.
(ハーバード大学の経済学教授ローレンス・カッツは「アルチザン・エコノミー」という言葉を生み出している。「アルチザン」とは手仕事職人のことで、産業革命時にアルチザンは自動化の波を受けてその職を追われた。(中略)今、そのトレンドが逆になっている)

――莫大な投資を必要とするAIの触手の及ばぬところはどこなのか、将来に希望を見出せそうな一文だ。

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