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トルコで警官9000人が停職処分 : クーデター未遂後の言論状況をジャーナリストたちが語る

ニューズウィーク日本版 / 2017年4月28日 19時50分

彼は152日間投獄されているが、起訴状が出たのはほんの2日前だ。内容は虚偽だ。彼も宙ぶらりんの状態だ。釈放されるかどうかは、トルコの政治状況によるからだ。16日には大統領の権限を強化する提案について国民投票がある(注:賛成派が勝利した)。ギュルセル氏は接見した妻に「私がここにいるのは、(反対勢力を抑える必要がある)国民投票があるからだ」と答えたという。



政府の政策を批判するジャーナリストは投獄される。ギュルセル氏が投獄されているのは政府を批判したからだと思う。

「宙ぶらりん」というのは、何が犯罪で何が犯罪ではないのかが分からなくなっているからだ。ソーシャルメディアで批判的発言をしたり、風刺画をシェアすれば「犯罪」なのか。このようなパネルで発言をすることがそうなるのか。トルコにいて、海外メディアの特派員として働いたら罪になるのだろうか。特派員はしばしば、オンラインハラスメントにあっている。

最悪は自己検閲

トルコのジャーナリストは5つの分類のいずれかにいると思う。

1つ目は投獄されている。2つ目は職を失っている。真夜中に緊急法令が出され、朝起きると自分が働いていた職場が閉鎖されていたことを知る。3つ目は自己検閲だ。これが最も悪いかもしれない。内部化され、取り除くのは不可能だ。自分の1部になっているからだ。

4つ目は海外メディアで働くこと。「裏切者」などオンラインハラスメントにあう。5つ目は独立メディアで働くこと。訴追されたり、当局の捜査対象になったりする。

投獄中のジャーナリストたちはハガキを受け取ることさえできない。そこで私たちは連帯を示すために抗議のポスターを作り、複数の新聞に掲載してもらった。

教訓は何か?まず、1つ目はこんな状況が普通のことにはしないことだ。何がだめで何がいいのか、憲法を基に明確にすること。2つ目は読者・視聴者に対し、ジャーナリストは公のために存在していることを知ってもらうこと。ジャーナリストが攻撃されるということは、市民の権利が攻撃されていることを意味する。情報にアクセスする権利だ。ジャーナリズムはエリートのためにあるのではなく、あなたのために存在している。

私が後悔するのは、何年も前にジャーナリズムの意義を市民に十分に納得してもらうことができていなかったことだ。

釈放後、再逮捕も


トルコ人ジャーナリストのベイダー氏 IJF

ヤブズ・ベイダー氏:トルコでは、メディアと司法が攻撃の対象になっている。現状は「法の支配」がない状態だ。例えばこんな風に事が進む。

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