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イージス艦事故の黒幕は北朝鮮か? 最強の軍艦の思わぬ弱点

ニューズウィーク日本版 / 2017年10月12日 18時50分

しかし仮に今回の一連の事故がサイバー攻撃を受けた結果だとすれば、事態は深刻である。見てきたように、軍事目的で艦船に対してサイバー攻撃を行うだけでも重大な事態であるのに、軍事用の艦艇の活動を妨害することを目的として、GPSジャミング攻撃のような民間船舶を対象とした攻撃によって、民間船舶を軍艦に衝突させるという手法が用いられていた可能性もあるからである。

後者のような攻撃が行われた場合、相手が民間船舶であるために「人間の盾」ならぬ「民間船舶の盾」となり、軍用の艦艇側は回避行動を取ることしかできない。

いかに艦艇や基地、関連施設のサイバーセキュリティーを強化したとしても、世界中の海にあふれている民間船舶のセキュリティーは、国家ではなく船会社や漁船所有者の手に委ねられており、公海上を航行する船舶に対してサイバーセキュリティーに関する規制を行うことは必ずしも容易ではない。「民間船舶の盾」問題は、海の安全保障における大きな課題となる可能性がある。


釜山(プサン)、浦項(ポハン)、鎮海(チネ)、開城(ケソン)、仁川(インチョン)

[執筆者]
湯淺墾道(ゆあさ・はるみち)
情報セキュリティ大学院大学学長補佐・教授
1970年生まれ。
青山学院大学法学部卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程退学。
九州国際大学副学長を経て、2011年より情報セキュリティ大学院大学教授。12年より現職。情報ネットワーク法学会副理事長。(株)ベネッセホールディングス情報セキュリティ監視委員会委員長代理。

※当記事は時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」からの転載記事です。



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湯淺墾道(情報セキュリティ大学院大学学長補佐・教授)※時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」より転載


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