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イラン反政府デモが問う、派閥対立の深い罪

ニューズウィーク日本版 / 2018年1月22日 11時30分

指摘しておくべきは、改革派も首尾一貫した対応を見せられないでいることだ。ロウハニ政権の協力者として多くの議席を持つ改革派は、政府を支持する一方、デモ参加者の権利を擁護するという苦しい立場にある。

ハメネイはといえば、いつものように、全ては外国勢力の干渉のせいだと批判する態度に終始している。ハメネイが固持する国家観はもはや、多くの市民にとって意味も価値も持たない。この国のシステムの均衡が崩れた責任は、究極的には最高指導者のハメネイにある。

デモをめぐって分かれる反応はイラン政治の実態を映し出す。イスラム共和国という在り方を団結して支持する建前の裏で、各派閥は自らの権力や立場を保持することにかかりきりだ。

1858年、後に米大統領となるエイブラハム・リンカーンは共和党州大会で「分かれたる家は立つこと能わず」と演説した。同じことが今のイランにも言える。政治エリートと民衆の関係を大きく改善しない限り、イラン政府は先が見えない危険な道のりを歩むことになる。

From Foreign Policy Magazine

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[2018.1.23号掲載]
サナム・パキル(英王立国際問題研究所研究員)


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