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ヘンリー王子の結婚で英王室は変わるのか

ニューズウィーク日本版 / 2018年5月17日 18時0分

差別を監視するラニーミード財団によれば、イギリス白人の25%は特定の人種に対する偏見を抱いている。親戚がイスラム教徒と結婚することに抵抗を感じる白人は50%に上る。国家統計局(ONS)は、大卒の黒人男性は大卒の白人男性に比べて無職になる確率が2倍近いとしている。

それでも悲観するには及ばないと、社会地理学者のダニー・ドーリングは考える。「少数の差別主義者がつけ上がっているだけで、一般の差別意識は今も薄れつつある」。そう語るドーリングは、ロイヤルウエディングのもたらす景気刺激効果にも期待している。国民がEU離脱の経済的打撃の大きさに気付き始めた今、この国に必要なのは観光客と好感度だ。

ではマークルに必要なものは何か。王室は彼女を幸せなプリンセスに仕立てたいようだが、「マークルは孤独を感じている」とみる記者もいる。

ヘンリーとマークルには末永い幸せを祈りたい。でもプリンセスには油断なく、賢く振る舞ってほしい。彼女が入る王室と国家は、見た目ほどフェアでも開かれてもいないのだから。

(著者はジャーナリストで、ウガンダ生まれのイスラム教徒。移民や多様性に関する多くの著書がある)

<本誌2018年5月22日号[最新号]掲載>

ヤスミン・アリバイブラウン(ジャーナリスト、作家)


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