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TBS松原耕二が書いた、翁長知事への「別れの言葉」

ニューズウィーク日本版 / 2018年9月6日 18時5分

翁長氏はインタビューの最中でも、容赦なかった。

「あなたたち本土の人には理解できないだろうけど」
「あなたたち本土の人は無関心ですよ」
「本土の人は反省してもらいたい」

折りに触れて交わしたやりとりのなかで、こうした言葉を何度、突きつけられただろう。私はそのたび、たじろぎ、言葉を失った。記者として沖縄を取材するなかで、どこか自分は安全な中立の場所に身を置いて話を聞いていると思っていたのだろう。「あなたたち本土の人は」という言葉を初めて面と向かって繰り返し投げかけられたことで、私自身が激しく揺り動かされた。そして自分のなかにある本土性、これまで見て見ぬふりをしてきたものについて見つめないではいられなくなった。それは沖縄を考えるうえで、今も私に緊張感を与え、律し続けているように思う。

2ヶ月ほど前、翁長氏に最後に会ったときにお礼の言葉が浮かんだのは、そうした気持ちからではなかったか。

「ありがとうございました」

その思いは、これからも私の中で消えることはないはずだ。

(参考記事)TBS松原耕二が沖縄で聞いた、世代間で異なる「本音」

松原 耕二(Koji Matsubara)
1960年山口県生まれ 早稲田大学政経学部卒、1984年TBS入社、現在BS-TBS「週刊報道LIFE」キャスター編集長。ドキュメンタリー『フェンス~分断された島・沖縄』で放送文化基金優秀賞。著書に『反骨~翁長家三代と沖縄のいま』のほか小説なども執筆。


当記事は沖縄を論考するサイト「オキロン」からの転載記事です。




松原耕二(TBSキャスター)※沖縄を論考するサイト「オキロン」より転載


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