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食事時間を12時間内に収めるだけで痩せて健康になる

ニューズウィーク日本版 / 2018年9月21日 18時0分

<我々の体内時計は、1日の間の食事の始まりと絶食開始の時間を察知して、栄養吸収と代謝・修復のサイクルを切り替えているらしい。その規則さえ守っていれば、糖質と脂質の多い不健康な食事をしていても健康を保てる?>

食事の時間を見直すだけで、遺伝子の異常や不健康な食生活が引き起こす病気を予防できるのをご存知だろうか。人は24時間周期の体内時計を持ち、10種類近くある遺伝子の働きで毎日リズムを刻んでいる。体内時計はすべての臓器や体組織、細胞の中に存在し、寝る時間、食べる時間、身体を動かす時間を教えてくれることで、病気に負けない身体を作る。この体内時計が正常で、それに従う限り、我々は健康でいられるのだ。

では、体内時計が壊れたり誤作動を始めたら、何が起きるのか。

「時計遺伝子」を持たないマウスの場合がわかりやすい。マウスは、一日の中でいつ何をすべきなのか見当もつかない。だから昼夜を問わずだらだらと食べ続け、肥満、糖尿病などの代謝疾患、慢性炎症、その他の病気を発症してしまう。

マウスに限ったことではない。人の場合でも、時計遺伝子の変異で体内時計が狂えば肥満から癌まで様々な病気にかかりやすくなることは、多くの遺伝子研究が既に指摘している。時計遺伝子の異常と不健康な食生活が組み合わさって、病状が一気に悪化することもある。

筆者の研究室は、飛行機で異なるタイムゾーンへと移動する、あるいは勤務時間を日中と夜間にシフトする際に、体内時計がどのように機能し、いかに順応するかを研究している。その日最初に摂る食事は、体内時計に日課の始まりを知らせる機能があることは分かっている。そこで新たな研究では、食事の時間による健康効果の違いについてより深く知りたいと考えた。

時間制限ダイエット──薬を上回る効果?

数年前、私たちの研究室は驚くべき発見をした。摂取カロリーを減らさずに、食事をとる時間を8~12時間以内に制限しただけで、マウスが健康になり、病気にもかからなかったのだ。砂糖や脂肪たっぷりの不健康な食事を与えた場合でも、結果は同じだった。

その効果は、現代のどんな薬をも上回る。「時間制限ダイエット」として人気のその食事法は、太り過ぎや肥満の減量に役立ち、多くの慢性疾患のリスクも軽減する。

健康のためにはもちろん、何をどれだけ食べるかが重要だ。それは、数十年間の研究でわかっている。だが「いつ食べるか」も重要だとする新たな発見には、多くの疑問が寄せられた。

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