1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

メキシコ国境には米軍だけじゃない、移民嫌いの米民兵組織もやってくる

ニューズウィーク日本版 / 2018年11月2日 19時0分

<民間人は、移民を合法的に捕らえて国境警備隊に引き渡すのが建前だが、彼らは間違いなく武装している>

中米からアメリカに向かっている移民キャラバンの入国を阻止するため、ドナルド・トランプ米大統領はメキシコと接するアメリカ南部国境に数千人規模の部隊を派遣すると発表した。本誌が入手した資料によれば、米情報機関は派遣される米軍部隊に対し、アメリカの民兵組織や国境をまたぐ犯罪組織とも衝突する可能性があると警告している。

統合軍陸上部隊指揮官(JFLCC)の脅威対策グループは10月27日、米国防総省の関係者に対し、米情報機関による分析をパワーポイントを使って説明した。その3日後には、国防総省の支援を受けて米国土安全保障省が主導する「忠実な愛国者作戦」(Operation Faithful Patriot)の開始を控えていた。

資料には「非機密、公用限定、LES(法執行機密)」と記されている。本誌は10月下旬、米北方軍の南部国境における任務に詳しい国防総省の2つの情報筋からこの資料を入手した。

【関連記事】中米からの移民キャラバンを迎え撃つ?米軍部隊が国境へ


資料は米南西部の国境地帯にある4つの入国地点に重点を置き、移民キャラバンが向かいそうな経路を分析している。入国地点と犯罪組織の拠点が重なり、情報機関がとくに懸念している地域が2カ所ある。1つはテキサス州ブラウンズビル。リオ・グランデ側を挟んだ対岸に、メキシコのタマウリパス州マタモロスがある地域だ。もう1つはカリフォルニア州のサンイシドロ。サンディエゴとメキシコのティフアナの間で、国境検問所がある。

そこでは、米税関・国境警備局も協力すると伝えられた南部国境での作戦で、取り締まりの対象外になっている民兵組織と米軍部隊が鉢合わせるかもしれない、とする報道が強調されている。

「現在、推計200人の武装した民兵が南西部の国境で活動している。国境警備隊の装備品が盗まれた事件も報じられた。彼らは入国地点の周辺で、税関・国境警備局に協力する自警団に扮して活動している」と資料には書かれている。

民兵組織や極右活動家は、移民キャラバンの入国を阻止するべく、メキシコとの国境に集結する計画をすでに発表した。



ミニットマン・プロジェクト

移民キャラバンが国境に到着するまでまだ数百キロ距離があり、今後どれくらいの民兵が集まるかは不透明だ。そんななか、国境警備に協力の意思を表明した組織の1つが、不法移民の取り締まりを目的とした「ミニットマン・プロジェクト」だ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください