【地球温暖化時計】「1.5度」までのカウントダウン
ニューズウィーク日本版 / 2018年12月17日 18時30分
<温暖化の連鎖が止められなくなる「プラス1.5度」。それまでに残された時間を表示する「温暖化時計」の仕掛人たちが語る数値に込められた思い>
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)がこの秋に発表した「1.5度の地球温暖化に関する特別報告書」を読めば、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前から1.5度以内に抑えることがいかに重要かよく分かる。だが今年、二酸化炭素(CO2)排出量は2年連続で増加することが予測されている。このペースが続けば、地球温暖化は16年も経たないうちにこの「1.5度の壁」を越えてしまう。
筆者らが作成した「温暖化時計」は、今のCO2の排出ペースが続いた場合にこの1.5度の壁を越えるまでに残された時間がどれほどあるかを示すものだ。年に1度更新しており、今年は12月5日以降、新しい科学的データを用いた最新版が表示されている。
.climate-clock{position:relative;padding-bottom:120%;height:0;overflow:hidden;max-width:100%;}.climate-clock iframe{position:absolute;top:0;left:0;width:100%;height:100%;}@media(min-width:700px){.climate-clock{padding-bottom:56.25%;}}
IPCCの特別報告書では、気候へのさまざまな影響を鑑みて1.5度上昇というラインが重要であることが示されていた。地球の気温が上がれば上がるほど、熱波や豪雨が増えることが想定される。氷床の不可逆な喪失(および、その結果としての海水面の上昇)のリスクは1.5度と2度の間で急激に上がるし、平均気温が2度上昇すればほとんどすべてのサンゴは死滅する。
IPCCの特別報告書とグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)の最新データのどちらを見ても、1.5度越えまであと16年もない。特別報告書では、温暖化が今のペースで続けば「12~35年以内」に上昇幅は1.5度に達するとしている。だが特別報告書と異なり、温暖化時計では、温暖化を加速するガスの排出量が今も増えているという事実を重視している。
排出量が増えなければ1年先送り
温暖化時計は、進みゆく地球温暖化のカウントダウン、そして緩和策の進捗具合の指標として2015年にスタートした。もしCO2の排出が増え続ければ、1.5度の壁を越える日は近くなるし、排出が減り始めればその日は遠ざかる。
この記事に関連するニュース
-
「60~66%削減」軸に検討へ 温室効果ガス排出、新目標で政府
共同通信 / 2024年7月14日 21時15分
-
あなたの町のストライプは何色? 気温の変化を色で表した「Climate Stripes」とは?
ウェザーニュース / 2024年7月14日 5時10分
-
「地球温暖化を最も恐れているのは中国国民」と欧州機関の意識調査で明らかに...その3つの理由とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月28日 18時45分
-
キンドリル、データセンターの温熱環境を刷新し、パナソニックグループ基幹DCのCO2排出量削減に貢献
PR TIMES / 2024年6月24日 12時45分
-
地球温暖化のウソ? ホント?(8) “産業革命以降”CO2が大量に増えたって本当?
ウェザーニュース / 2024年6月22日 5時10分
ランキング
-
1米副大統領候補のバンス氏、台湾へのパトリオット供与遅れを批判「ウクライナのせい」
産経ニュース / 2024年7月17日 14時38分
-
2トランプ氏は「神の手に守られた救世主」 暗殺未遂、個人崇拝に拍車
AFPBB News / 2024年7月17日 16時29分
-
3「将軍」最多25ノミネート=主演の真田広之さん候補―米エミー賞
時事通信 / 2024年7月18日 4時53分
-
4百貨店で大規模火災 16人死亡 中国・四川省
日テレNEWS NNN / 2024年7月18日 10時25分
-
5韓国でLINEユーザーが急増した理由 日本への反発?
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月17日 15時55分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください