『天皇の憂鬱』が解き明かす、象徴天皇をかたちづくった「軽井沢」
ニューズウィーク日本版 / 2019年4月22日 17時10分
また、平成6(1994)年6月、ホワイトハウスで行われた歓迎式典で天皇が、19世紀の開国から、日米の戦争と戦後の歴史に触れつつ、「前世紀末、後に国際連盟の事務次長をつとめることとなった新渡戸稲造博士は、自分の若き日の夢を『太平洋の橋』になることとして海を渡り、貴国の地にまいりました」と、わざわざ個人名をあげて述べられた。このことからも、新渡戸の影響がうかがえると著者は指摘している。
確かにこれは、国民とともに平成を歩んできた天皇の原点として、非常に重要なトピックスだと言えるのではないだろうか。
いずれにしても、あと少しで平成が終わろうとしている今だからこそ、ぜひ読んでおきたいところだ。
『天皇の憂鬱』
奥野修司 著
新潮新書
[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に「ライフハッカー[日本版]」「東洋経済オンライン」「WEBRONZA」「サライ.jp」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)をはじめ、ベストセラーとなった『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。
印南敦史(作家、書評家)
この記事に関連するニュース
-
八幡和郎 日本人の試練 安定的な皇位継承めぐる議論を「旧宮家養子案」の重要性 女系派の悪質さ 一度皇族でなくなった人の子孫復帰を「憲法違反」と主張
zakzak by夕刊フジ / 2024年5月15日 11時0分
-
愛子さま伊勢神宮訪問に見えた、悠仁さまとの微妙な違い その理由は…気になる立ち位置「どっちが上?」
47NEWS / 2024年4月30日 10時30分
-
「愛子天皇」は選択肢に入っていない…「旧宮家男子を養子に」という政府の皇族確保策が妙案である理由
プレジデントオンライン / 2024年4月29日 10時15分
-
《独自》佳子さま、美智子さまのご意向が反映された結婚相手の最有力候補に“アクティブ”銀行マンが急浮上「皇族の相手として申し分ない経歴」
週刊女性PRIME / 2024年4月26日 16時0分
-
国民の愛子さまへの期待はますます高まるばかり…日赤ご就職に際して文書で表現した自身の「皇室観」
プレジデントオンライン / 2024年4月26日 6時15分
ランキング
-
1ウクライナ、追加動員準備整う 「一部が前線で戦う過去終わる」 規模・時期、国民焦点に
産経ニュース / 2024年5月18日 18時32分
-
2「安倍元首相、不安あおった」=文前大統領が回顧録―韓国
時事通信 / 2024年5月18日 20時53分
-
3「悪魔崇拝者」250人超逮捕 イラン
AFPBB News / 2024年5月18日 14時58分
-
4米テキサス州ヒューストンでハリケーン並み暴風雨、4人死亡
日テレNEWS NNN / 2024年5月18日 11時12分
-
5韓国、光州事件で性暴力16件 発生から44年、調査委が報告書
共同通信 / 2024年5月18日 19時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください