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北アイルランドにIRA復活の足音

ニューズウィーク日本版 / 2019年6月6日 12時0分



「ブレグジットにより、いや応なくIRAが見直され、アイルランドが分割されたままだという側面が浮かび上がってきた」と、新IRAのあるメンバーは言う。「その機会を生かさないとしたら、われわれの怠慢だ」

この状況で、将来が明るいと思える理由はほとんどない。新IRAは記者のマッキーが死亡した事件について責任を認めた上、3月にはイングランドやスコットランドにも爆発物を持ち込んだとされ、1月にロンドンデリーの裁判所の外で起きた車の爆破事件にも関与したとされている。こうした事件が、この1年で急速に増えている。

ブレグジットが実現したとして、その後に過激派組織の暴力事件が増加するかどうかは分からない。だが、IRAの新世代が力を付けている流れは収まる気配がない。ブレグジットの結末がどうなろうと、既にIRAの脅威は再び北アイルランド社会の一部になったのだ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2019年6月11日号掲載>


※6月11日号(6月4日発売)は「天安門事件30年:変わる中国、消せない記憶」特集。人民解放軍が人民を虐殺した悪夢から30年。アメリカに迫る大国となった中国は、これからどこへ向かうのか。独裁中国を待つ「落とし穴」をレポートする。



ダン・ハバーティ(ジャーナリスト)


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