イラン訪問で北朝鮮外交の失点を取り戻せるか 安倍首相
ニューズウィーク日本版 / 2019年6月13日 19時50分
トランプ政権は、日本をはじめ8カ国に対しては、イラン産原油の禁輸措置を一時的に免除していたが、5月からは例外もなくなり全面禁輸が施行された。輸入原油に依存する日本だが、逆らえばトランプ政権の制裁を受けかねなず、従わざるを得ない。
安倍はロウハニ大統領とイランの最高指導者ハメネイ師との会談で、間違いなくこの問題を話し合っただろう。保守強硬派のハメネイ師は「アメリカとの交渉は毒だ」と述べ、対話にも応じない考えだ。トランプもハメネイも、譲歩の意思は微塵も見せておらず、安倍が間に立っても、どちらかを説得するのは至難の業だ。
それでもトランプは安倍のイラン訪問にゴーサインを出した。5月の訪日で安倍と並んで記者会見を行った際には、安倍は「イラン指導部と緊密」な関係にあると発言。安倍のイラン出発直前にも、電話で話し合った。ただ、トランプは、「彼らが話し合いを望んでいるなら、こちらも望むところだ」と言っているだけで、安倍が紛争解決の国際的な立役者になれるよう、何らかの「手土産」を持たせたかどうかは分からない。
日本政府は「世界平和のために建設的な役割を果たす日本」を国際社会にアピールしたいと考えていると、スチュワートは言う。それは「非常に良い」ことで、「アメリカはそれを支援して、有効に活用すべきだ」。
※6月18日号(6月11日発売)は「名門・ジョージタウン大学:世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論」特集。「全米最高の教授」の1人、サム・ポトリッキオが説く「勝ち残る指導者」の条件とは? 必読リーダー本16選、ポトリッキオ教授から日本人への提言も。
トム・オコナー
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