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対韓制裁、ほくそ笑む習近平

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月7日 20時13分

日本は1日、スマホや半導体製造に必要な材料に関して対韓輸出規制を強化すると発表した。4日にはそれが実行される中、喜んでいるのは中国だ。狙いだった日米韓離間だけでなくファーウェイの一人勝ちにも貢献する。

韓国政府は懲罰を受けて然るべき

日本政府は7月1日、スマホのディスプレイや半導体製造過程に必要な材料の、韓国向け輸出規制を強化すると発表し、4日からは実行に移されている。

対称となるのは、テレビやスマホのディスプレイに使う「フッ化ポリイミド」や半導体ウェハーに回路パターンを転写するときに薄い膜として塗布する「レジスト」と、半導体製造過程においてエッチングガスとして使われる「フッ化水素」などの3品目だ。

経済産業省によれば、これらを「包括的輸出許可」の対象から外して個別的な輸出許可の対象に切り替えるとのこと。つまり、韓国に上記品目を輸出するためには、1件ずつ審査と許可を得る必要が生ずる。ほぼ輸出禁止に等しい。

菅官房長官は2日の記者会見で、輸出規制に踏み切った理由について、あくまでも「安全保障を目的とした適切な輸出管理の一環だ」と説明し、元徴用工問題とは関係がないと言っているが、元徴用工問題に関する韓国政府の対応への報復措置であることは、誰の目にも明らかだろう。

韓国政府、特に文在寅大統領は、懲罰を受けるに足る原因をいくつも作っているのだから、むしろ明確に「懲罰だ」と言ってしまった方が、韓国には「親切」なのではないかとさえ思う。

なぜなら、慰安婦合意にしても日韓政府間で合意に達したものを、韓国はいつも「ああでもない、こうでもない」と理由を付けては蒸し返すという対日対応をエンドレスに繰り返してきたのだから、日本政府は遠慮をせずに明確に言って聞かせた方がいい。

というのも韓国という国は、右派・左派(保守派・革新派)が親日・反日あるいは反中・親中ときれいに分かれて政党あるいは政府ときちっと結びついているわけではなく、左右が入り乱れて民間団体を作ったり特定政党を支持したりしなかったりしているので、大統領は民意の動きに右往左往しながら選挙を目指してあたふたする傾向にあるからだ。

その意味では、失礼ながら韓国は、政府与党が政権能力を持っていない国という特徴があると言っても過言ではないだろう。

1990年代から2000年代初期にかけて、何度も主宰してきた若者たちの意識調査あるいは民意調査を通して、それを実感している。

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