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NY大停電──暗闇の向こうで何が起こっていたか:在住者体験談

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月19日 16時0分

<7月13日午後7時、ニューヨーク、マンハッタンのミッドタウン中心街で停電が起きた。完全復旧までの5時間、何が起きていたのか......>

7月13日午後7時前、ニューヨークの一部地区で大規模な停電が発生した。

停電が起きたのは、マンハッタンのミッドタウン中心街という、もっとも人が集まる商業エリアだ。店舗、レストラン、ホテル、ブロードウェイの劇場街などが密集し、人々の暮らしもそこにある。

いつもは目眩がしそうなほど煌びやかなデジタルサイネージのあるタイムズスクエアも、この日は真っ暗に(冒頭の写真)。

地元メディアの報道では、ピーク時で7万2000世帯に影響が出たという。信号が消え、地下鉄が止まるなどし、多くの人で溢れかえる土曜日の夜、街は大混乱に陥った。

Updated NYC Skyline...still partial blackout #NYCblackout pic.twitter.com/hzz0YUWF1N— BAT1STA (@BAT1STA) 2019年7月14日


完全普及まで5時間を要し、午前0時ごろ街に光が戻った。CBSニュースの報道では、西64丁目にある変電所での不具合が原因とみられている。

ニューヨークは夏時間のため、午後7時といえども外はまだ昼間のように明るい。しかし日没時間(午後8時半)を過ぎると徐々に暗くなり、日没後は車のヘッドライトだけが灯る状態になった。最高気温が30度近くに上った日でもあり、エアコンも使えず暑さとの戦いでもあった。

もっとも大変だったのはエレベーターや地下鉄に閉じ込められた人、超高層階の住民、乳児のいる家庭、病気の人や老人だろう。蒸し暑く暗い密室で、または病院に行きたくても交通の大混乱でタクシーが捕まらない状態で、いつ復旧するともわからないなかどんなにか心細かっただろう。

在住者はその時間、どのように過ごしていたか?

筆者は幸か不幸か、前回(2003年)も今回もドラマチックな体験を免れた。ちょうどこの時間、私は停電発生現場から車で1時間半ほど離れた市内のビーチに出かけていた。午後9時ごろ、携帯に流れてきたニュースで停電を知ったのだった。

03年の大停電は米北東部および中西部と広範囲で発生したが、当時居住していたクィーンズ区のアパートにたまたまいたため、多くの人が体験した「何時間も徒歩で帰宅」することもなかった。

当時アメリカ人ルームメイト3人と家をシェアし、そのうちの1人が地元マンハッタン出身者。彼は1977年*の大停電も幼少時に経験しており、「家から出ない方がいい」とアドバイスしてくれた。理由は「強盗や略奪が多発したから」。街はカオス状態で、とても怖い光景を目にしたという。

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