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ドラマ『神の雫』主演の山下智久が語る、混沌の先の新境地──仕事も人生も「量から質」へ

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月12日 13時10分

ドラマのワンシーン。左がカミーユ役のジェフリエ ©HULU JAPAN

――漫画に出てくる遠峰一青に、ドラマではどれだけ近づけようとしていたのか。

骨格はもちろん漫画の一青にあると思うけど、実写化するときは、原作へのリスペクトを持ちつつ、とらわれすぎないことが大事なのかなと僕は思っていて。今回の脚本に描かれているストーリーから、僕が感じる一青を作っていくというか......。脚本家ともたくさん話したし、脚本をひもといていくという作業に時間をかけていった。

――日本のドラマの作り方と海外のドラマの作り方の違いとして、日本では脚本が数話ずつなど少しずつ渡されるのに対し、海外では最後まで出来上がった脚本を渡されることが多いとも聞く。今回は?

最初から出来上がった脚本を渡されたけど、撮影中にもどんどん変わっていった。そういう意味では本当に、脚本や作品は生ものという感じで、日々変わっていく。現場で僕らが演じているのを見て脚本家さんがインスパイアされて変えていくことがあったり。海外の作品は、特に柔軟性が高いように感じている。

当初は本当に小さい役だったのが大きくなっていったりもするし、もちろんその逆もあるんだろうけど。僕の場合は役が成長していくことが多くて、それは本当にうれしいことだと思う。いい意味で固定されていないので、現場でもっといいものにしようと努力していく気持ちは忘れないようにしたいと思っている。

――どんどん成長していった遠峰一青とは、山下さんにとってどういう人物だったか。

とにかく、ストイックで熱心。家庭環境は複雑だし、いろんな葛藤を抱えている人間ではあるけれど、ちゃんと自分の心に耳を傾けて、決断していく強さもある。感情表現はあまり得意じゃないけれど、すごく純粋な人だと思う。純粋だから傷つきやすいところもある。

とても複雑な役で、演じるのは難しかったし、今もまだ遠峰一青とは本当はどういう人間だったのか、僕も100%は理解できていないところがある。それくらい日々変わっていったし、すごく、一青は生きていたと思う。

僕も今、自分自身のことを100%理解できていなかったりするし、日々いろんな出来事があって、自分自身も変わっていく。なので一青も、まだ変わっている途中なのかなとも思う。

――人間、大人になると変わることが難しくなることもあるかもしれない。山下さんご自身はどうか。

動かないと固まっていってしまうと思っていて。僕はどちらかというと結構動いているタイプなので、そういう意味ではまだ柔軟に対応できるかもしれない。常に自分に刺激を入れて、新しい環境に身を置くということは意識している。

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