イスラエル・ハマス軍事衝突へのアメリカの反応はかなりバラバラ
ニューズウィーク日本版 / 2023年10月11日 14時10分
ニューヨークなどが特にそうですが、各都市の警察としては、双方の支持者のデモを「うまくルートを分けて、両派を遭遇させない」ことに神経を遣っているようです。
若者の間にパレスチナ側への理解があるのは、環境や格差の問題に敏感なZ世代が中心になっています。例えば、若者の絶大な支持を受けているアレクサンドリア・オカシオコルテス(AOC)議員のグループは、パレスチナの権利と安全の確保を主張しています。自身がユダヤ系で、しかもイスラエルの入植地で数年を過ごしたこともあるバーニー・サンダース議員も、支援者を通じて「双方の人命を最優先せよ」という言い方で、イスラエル国防軍の過剰な報復を警戒するメッセージを出しています。
そんなわけで、今回の中東における戦争勃発に対するアメリカの各方面の反応は、意外とバラバラです。むしろ、様々な立場と対立を浮き彫りにしたという印象もあります。ただ、バイデンとトランプという、現時点での民主・共和の有力候補にとっては、どちらにも、この事件は失点につながりそうな気配があります。特にバイデン政権にとっては、団結で政治的求心力を回復するというよりも、60億ドルの凍結解除問題と現在進行形の人質問題が、重くのしかかっていると言えます。
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