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読書で「自己肯定感」が高まる...ストレス軽減の「癒し効果」、長生きにもつながる読書の効能とは?

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月28日 18時26分

──なるほど。フライヤーのユーザーはスキルアップに意欲的な方が多いですが、要約ランキングで、「ストレス緩和」「癒やし」「自己肯定」につながる本がランクインすることが増えました。フライヤーとしては、情報収集の時短効果だけでなく、豊かな読書体験の時間を届けたいという思いがありますが、こうしたプレッシャーへの疲れとも何かしら関連があるのでしょうか。

本に求めるものは人それぞれですが、ストレス緩和や癒やしにつながる本を志向するのは、一見無駄に思えることも大事にしたい、という気持ちの表れかもしれませんね。

手っ取り早く身につけられるものばかり追い求めていると、人間としての魅力が減っていくように思います。人間の魅力は一見「無駄な部分」に宿るものです。無駄をそぎ落として効率化のみ追求していくと、それは「いかに早く死ぬか」に行きついてしまいます。

もし常にタイパを意識するようなら、「そもそもなぜ効率化したいの?」と自分に問いかけるような読書の機会があるといいなと思います。

自己肯定感を上げてくれるのは、 “禅の教え” を体現した「パンダ」の絵本

──ビジネスパーソンの数ある悩みの中で、「自己肯定感が下がってしまう」という悩みをよく聞きます。私自身もその悩みを抱えているのですが、こうしたときは、どんな本を読むといいでしょうか。

まずは、「どういうときに自己肯定感が下がりやすいのか?」を知ることから始めるとよいでしょう。一人ひとり状況も受け止め方も違うので、自己肯定感が下がったときの背後にある要因を考えて、それに合いそうな本を探せるといいと思います。「●●の言葉が気になるのは、親から長年いわれてきたあの言葉と通じるものがあるのかな」というふうに。

実は私も自己肯定感が低めなのですが、自分自身にあえて厳しいハードルを課しておきながら、「クリアできないのでは」と落ち込むことがよくあります。似た状況にある方には、次の3冊をおすすめします。

1冊目は『怠惰の美徳』。戦後派を代表する作家・梅崎春生さんが、自身がどれほど怠け者として生き抜いてきたのかを綴ったエッセイと短篇を集めた一冊です。冒頭から自分へのダメ出しの嵐。32歳になるのに2畳の部屋で寝起きしていて、ろくな文章も書けない。年若い新進作家の悪口ばかり、といった話から始まります。「雑巾にでもなって 生れてくれば よかったのに」など、表現も面白い。著者のダメっぷりにふれるうちに、「あ、これくらいでいいのか」と力が抜けていきます。

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