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17歳で出産、育児放棄...25歳で結婚、夫が蒸発...「後悔なんてしない」「過去は振り返らない」は間違い

ニューズウィーク日本版 / 2023年12月6日 17時45分

ある日、夫は突然姿を消した。「飛行機に乗って、いなくなってしまいました......そのまま二週間、音沙汰がありませんでした」。ようやく電話してきた夫は、こう言った。「きみのことはもう愛していない。家には帰らない」。この瞬間、二人の結婚生活が終わった。

もし人生をやり直せるとすれば、チェイスはこの男性とまた結婚するだろうか。そんなことはありえない。しかし、この不幸せな経験から学んだおかげで、いまは別の相手と幸せな結婚生活を送れている。

「後悔なんてしない」という人生哲学の薄っぺらさは、チェイスの肌に彫られたタトゥーにも見て取れる。そこに彫られている言葉は、実は「No Regrets」ではない。「No Ragrets」と彫られている。後悔(Regrets)の二文字目をわざと間違って記してあるのだ。

これは、二〇一三年のコメディ映画『なんちゃって家族』を意識したものだ。正直言うと、大して記憶に残るような映画ではない。

ちんけなマリファナ密売人のデーヴィッド・クラーク(演じるのはジェイソン・サダイキス)は、密売組織への借金を返済するために、ニセの家族(ニセの妻と、ニセのティーンエージャーの子ども二人)とともに行動することになる。ある場面で、デーヴィッドはスコッティPという怪しげな若者と出会う。その若者は、オートバイでやって来てデーヴィッドの「娘」をデートに誘おうとする。

スコッティPは、汚らしい白のタンクトップを着ていて、肌のタトゥーがいくつか見えた。鎖骨に沿って彫られていたのは、アルファベットのブロック体で記された「No Ragrets」という言葉だった。デーヴィッドはスコッティPを座らせて、少し話そうと考えた。まず、数々のタトゥーについて順番に尋ねていった。

デーヴィッド:(「No Ragrets」のタトゥーを指さして)それは?
スコッティP:これ? ぼくの信条なんだ。後悔はしないことにしている。
デーヴィッド:(疑わしそうな表情を浮かべて)本当かい? 後悔することはない?
スコッティP:ないよ......。
デーヴィッド:それは......一文字たりとも?
スコッティP:まったくないよ。

※抜粋第2回:5歳の子どもは後悔しないが、7歳は後悔する...知られざる「後悔」という感情の正体とは?

『The power of regret 振り返るからこそ、前に進める』
 ダニエル・ピンク 著
 池村千秋・訳
 かんき出版

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)



ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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