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【TWICE、Stray Kids他インタビュー】「まだ完全に理解されているわけではない」...世界を席巻した、Kポップはどこに向かうのか?

ニューズウィーク日本版 / 2023年12月15日 12時35分

これは重層的な問題だろう。アイドルが、クリエーターやスタイリスト、振付師、流行をつくり出す専門家、ディレクターなどの「システム」の中で活動していることは知られている。それを理由にアイドルのオーセンティシティー(真正性)に異議を唱える人もいる。

でも、似たようなシステムはKポップ以外にも存在するから、フェアな批判ではない。それに、Kポップのアイドルには、自分のプロジェクトに積極的に関わっている人もたくさんいる。

JAKOPSがプロデュースした「XG」は韓国で活動する日本人メンバーだけのガールズグループだ BRENDON THORNE/GETTY IMAGES FOR SXSW SYDNEY

JAKOPS(サイモン)(XGALXのCEO兼エグゼクティブプロデューサー、ボーイズグループDMTN〔ダルメシアン〕の元メンバー) Kポップのシーンに10年以上携わってきた私は、アイドルは真のアーティストだと思っている。

Kポップのシステムにとって、才能と同じくらい重要なのは「スピリット」だ。真のアーティストは自分の道を歩み続ける勇気を失わない。

私が6年前からプロデュースとディレクションを担当しているXG(エックスジー、韓国で活動する日本人メンバーだけのガールズグループ)は、デビューまでに5年かかった。応募者1万3000人のうち、最終的にデビューしたのはたった7人。

Kポップのスターのチャレンジ精神とひたむきさは、アーティストの最も基本的な美徳の1つだろう。これらの資質がもっと正しく評価されてほしい。

ドム・ロドリゲス(SMエンターテインメントUSAのシニアバイスプレジデント) 私はよく、Kポップのアイドルをプロのアスリートに例える。彼らは何年も必死に努力して、荒削りの素質を最高のレベルに高める。アーティストになるための彼らのコミットメントと情熱を見れば、すぐに理解してもらえるだろう。

──多くのメディアがKポップについて有害な物語を流している。「工場システム」があり「邪悪な闇」を隠しているといった主張は、そこにいるリアルな人々から人間性を奪う。

ビンス アーティストになるために「システムに参加」しようとする人はたくさんいるが、実際にトレーニングを受けられるのは、一握りの選ばれた人だけ。私の知る限り、「システム」による非人間的なプロセスを目撃したことはない。

チョー Kポップのアーティストを見いだして育てるには莫大な投資が必要だ。生身の人間の献身的な努力なしには成り立たないビジネスだ。「工場システム」や「闇」も、実際にあったことではあるが、少なくとも新しいKポップの時代に、そういった悪しき慣習を引き継いだレーベルは生き残っていない。

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