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世界初、月面「ピンポイント着陸」に成功のJAXA...着陸6日目の成果と知っておきたい「10のトリビア」

ニューズウィーク日本版 / 2024年1月26日 21時5分

SLIMは正確な着陸姿勢を取ったり強度を担保したりするために、二段階着陸と呼ばれる①先に1本の主脚が接地して、②わざと倒れ込むような形になった後に残りの4本の補助脚が接地する方法を採用しています。

今回、SLIMで二段階着陸がうまくできなかった理由は、メインエンジンが1基だけになってしまって、横方向の速度や姿勢などの接地条件が仕様範囲を越えていたからと考えられています。

月は昼が約14日間、夜が約14日間続きます。今後は月の夕方になれば太陽は西に来るので、太陽電池が復旧するかもしれないと期待されています。ただしSLIMは赤道付近に着陸しており昼は100℃を超えるため、機器が高温にどれだけ耐えられるかも課題となります。

プロジェクトチームは、月の日没となる2月1日までの運用再開を想定して、準備を進めています。

6)小型月面探査ロボットLEV-2がSLIMの太陽電池が横向きになっている証拠写真の撮影に成功!

SLIMは高度5メートル付近で、搭載していた小型月面探査ロボット「LEV-1」「LEV-2」を切り離しました。

LEV-2は直径約80ミリ、質量約250グラムの野球ボール程度の大きさのロボットです。変形可能で、車輪を出してSLIMの周りを走行し、前後に1台ずつ付いているカメラで撮影します。画像処理によりSLIMが写っている画像を適切に選び、LEV-1を通して地球に送信できます。

今回、LEV-2はSLIMが太陽電池を西に向けている月面写真を撮影し、複数枚の撮影画像の中からこの画像を選んで地球に送ることに成功しました。

坂井教授は、SLIMの現状姿勢に関する予想CGが作られてから、LEV-2によるSLIMの月面写真を見たといい「CGを写真で答え合わせをすることとなり、内容は予想通りだったが、実際のSLIMを撮影できたと思うと腰が抜けた」と心情を語りました。

LEV-2の担当で宇宙探査イノベーションハブ主任研究開発員の平野大地氏は、「データのロス部分が画像で線状に現れたり、高解像度で送信できなかったりしたのは少し残念」としながらも、「LEV-2による撮影は大金星」と会場から声がかかると笑みを浮かべました。

7)バッテリー切れが迫る中、着陸後に月の起源の謎に迫るカンラン岩候補の撮影に成功

着陸直後に太陽電池が発電していないことに気づいたプロジェクトチームは、探査機に蓄積されたデータの送信を最優先事項とし、不要機器やヒーターを切って節電しながらバッテリー残量のみで電源を確保しました。

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