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英国王チャールズ3世が癌に...病状が悪化した場合にイギリスが迫られる3つの選択

ニューズウィーク日本版 / 2024年2月13日 20時44分

とはいえ、これはあくまで一時的な措置で、摂政制が何年も続く場合はいずれ何らかの法整備が必要になるだろう。

また摂政は、総督を罷免する権限も持たない。

オーストラリアでは1975年、ねじれ議会による政治の機能不全を見かね、総督が慣習を破って首相を解任し、「憲政上の危機」と呼ばれる事態に陥ったことがある。

国王は首相の助言を受けて総督を罷免できるが、摂政には罷免権がないから、総督が大胆になり、オーストラリアの内政に首を突っ込むことにもなりかねない。

こうした問題は、法改正により解決できるはずだ。

オーストラリアでは2015年にジェンダー差別をなくすため王位継承法が改正された。

この例に倣い、摂政がオーストラリアに対しても総督任免などの権限を行使できるよう州と連邦レベルで法整備を進めればいい。

英国王を元首とする英連邦の国々は植民地時代から続く特殊な法的事情を抱えている。

チャールズ国王の回復を祈りつつ、万一に備えた事前の準備が必要だ。



Anne Twomey, Professor emerita, University of Sydney

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.


アン・トゥーミー(シドニー大学名誉教授)


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