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元CIA諜報員がウクライナ支援を解き明かす、バイデンの「不作為」と「プーチンの操り人形」トランプ

ニューズウィーク日本版 / 2024年2月22日 16時57分

その「情報」は、ウクライナに潜むロシアのスパイが提供したものだった。

プーチンとの関係が噂されるトランプ前大統領 SAM WOLFEーREUTERS

ロシアの情報機関は長年にわたり、共和党の政治家やロビー団体、メディア関係者に何百万ドルもの資金を流してきた。

それは政界や国民の意見を親ロシア・反ウクライナに導き、同時にアメリカの制度や民主主義に不満を抱くように誘導する戦略的キャンペーンだった。

ロシアの資金を受け取っていた1人が、現下院議長のマイク・ジョンソンだ。

ロシアのもくろみはあらゆる面で成功している。

トランプはプーチンのウクライナ侵攻を「天才的」と評し、NATOの悪口を繰り返している。

ウクライナ支援に反対する共和党議員は多く、もはや議会はまともに機能していない。

米議会のジョンソン下院議長(写真正面中央)はウクライナ支援に反対 ANNABELLE GORDONーCNPーSIPA USAーREUTERS

そもそも下院議長のジョンソンは、一貫してウクライナ支援に反対票を投じてきた。

共和党支持者の多くは「アメリカ第一」の孤立主義を唱え、バイデンよりもプーチンを好み、バイデンのウクライナ支援を「アメリカ後回し」政策と呼んでいる。

バイデンとしては、ウクライナを支援しつつもNATO軍とロシア軍の直接対決は避けたい。

だから軍事支援は小出しにし、徐々に増やしてきた。つまり、ウクライナが負けない程度の武器を供与してきた。

ウクライナを「ゆっくりと勝たせ」、その間にロシアに血を流させるが、ロシアが戦争を拡大するほどには痛め付けず、ウクライナに決定的な勝利をもたらすつもりもない。

今回の戦争には何千台もの戦車が投入されているが、アメリカがようやくウクライナに31台の主力戦車M1エイブラムズを引き渡したのは昨年秋のことだった。

熾烈で困難な武器製造合戦

もう1つの死活的に重要な戦域は双方の武器製造工場だ。

もっと大量の武器弾薬を供与されなければ、ウクライナ側が決定的な攻勢に出ることはできず、現状の防衛線を維持するのがやっとだろう。

一方でロシアは武器製造能力の向上に熱心で、その努力はウクライナを支援するNATO陣営をはるかに上回る。

もともとウクライナとは比較にならないほどの弾薬を持っており、今もウクライナ側の5倍に当たる1日1万発の砲弾を撃っている。

ただしロシアも必要な弾薬の確保には苦労している。

現状の生産能力は1日当たり約5500発だが、それでも1日の使用量の半分だ。

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