iPhone不買運動、「日の出」を連想させるポスターの罵倒...中国政府「非公認の愛国」が暴走する理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年3月11日 19時40分
A young Chinese woman was taken away by local police in Suzhou last Wednesday because she was wearing a kimono. "If you would be wearing Hanfu (Chinese traditional clothing), I never would have said this, but you are wearing a kimono, as a Chinese. You are Chinese!" pic.twitter.com/et8vWOferQ— Manya Koetse (@manyapan) August 15, 2022
また、南京にあるショッピングモールで今年1月、初日の出をイメージして赤い丸の描かれた、新年を祝うポスターに中国人ブイロガー(Vlogger、videoとbloggerの合成語)が「ここは東京じゃない! 南京だ! なぜこんなものを掲げるんだ!」と支配人を難詰し、その様子がSNSで拡散された。
赤い丸が日の丸を連想させる、ということらしい。結局、警察官がやってきて問題のポスターは撤去された。
これについて、近所の飲食店の店主はメディア取材に「今まで生きてきたなかで一番バカバカしい」と切り捨てている。
赤い丸や日の出のイメージがダメなら、Huaweiのロゴをはじめ、毛沢東や習近平の肖像画などでよく使われる赤い背景に至るまで全部排除しなければならない、というのだ。
「'愛国'はビジネスではない」
中国政府はこうした草の根ナショナリズムの全てを認めているわけではない。
iPhone売上が減少するきっかけになった「公務員の使用禁止」について、中国外交部はこれを否定した。
そればかりか、暴走した'愛国'に制裁が下されることもある。
南京のショッピングモールから赤い丸のロゴを外させたブイロガーは、国営放送CCTVのニュースで「有害な活動」と批判されただけでなく、過激な言動は収益化を目的としたビュー稼ぎと断定されて「'愛国'はビジネスではない」とも酷評された。
これは中国では社会的な封殺に近い。
それ以外にも、香港の住民を「犬」と呼んだブイロガーがWeiboのアカウントを凍結されたり、今年1月の能登半島地震を「日本への天罰」とSNSに書き込んだTVコメンテーターが番組出演を停止させられたりしたこともある。
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