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頭のいい人=学歴やIQが高い、ではない...「頭のよさは他者が決める」時代に、最も大事な能力とは?

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月21日 11時20分

ドラッカーの本は、その立場に立つと中身がよくわかる本です。学生時代には何をいっているのかわからなかったのですが、社会人1、2年目で読み直すと深く理解できて、「自分のために書いてくれたんじゃないかな」と錯覚するほどでした。ドラッカーの主要著作をほぼすべて翻訳された上田惇生さんの日本語訳がわかりやすいので、そのおかげでもあると思います。

あとは、SF小説が大好きです。事業計画をつくるなら絶対読んだほうがいいと思っています。特にハードSFは、事業計画よりもずっと先のことまで、「こういう技術が実現したら世の中で何が起きるのか」というのを描き出しています。これほど未来を精緻に予測したものはあまりないので、勉強になります。

なかでも、アーサー・C・クラークの長編小説『幼年期の終り』は印象に残った一冊です。テーマは、宇宙の秩序のために百数十年間も「飼育」される人類と、変貌していく地球の姿なのですが、想像もつかない方向へ展開していきます。

また、安部公房の『第四間氷期』も、人類の進化が驚異的な解像度で描かれていて面白い。その後は安部公房にハマって全作品を読みました。ハードSFの小説は「価値観の変容」について精緻に表現されていて、それが一番面白いんですよ。

──最後に、これから挑戦したいことについて教えてください。

いまちょうど進行中なのが、生成AI専門の会社の事業です。2023年7月、中高時代の知人のファンドに出資してもらってワークワンダースという会社を立ち上げました。昨年から約90社にインタビューしたところ、いま一番ニーズがあるのがチャットボットでした。ChatGPTなどの生成AIが、チャット形式で質問に回答してくれる仕組みですね。これは、その企業の営業提案書や議事録などを読み込ませておくことによって実現でき、営業のロールプレイやECサイトの問い合わせ、M&Aの意思決定プロセスの事前処理など、実に多様なシーンでの活用が想定されています。

また、元電通のコピーライター梅田悟司さんと一緒に、文章生成ツールを開発しています。あるプロダクトについてペルソナを生成し、いくつかのキーワードを入れると、それをもとにキャッチコピーやネーミング、ランディングページ、広告の文言まで、高いレベルで一気通貫してつくれるツールです。

こうした生成AIを活用したサービスとともに、コンサルティングや研修を提供し、企業の経営課題解決に寄与していきたいと考えています。

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