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大谷出場のMLBソウルシリーズ開催は韓国企業COUPANGによる「仁義なき韓中ネット通販戦争」の恩恵?

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月21日 18時37分

なぜ、ネット通販企業がこれほどのサービスを提供するのか? クーパン側は一昨年トッテナムを招聘した際に「収益性を追い求めるよりも顧客をメンバーシップに囲い込む効果がある」と説明した。事実、有料会員サービス「ワウメンバーシップ」加入者は昨年1年間で300万人増加し、1400万人を突破した。2020年の600万人と比べると、3年間で2倍以上に増えたことになる。昨年の年間有料会員費は8300億ウォン(約946億円)と推測され、このままいけば今年末には顧客数1700万人、年間有料会員費は1兆ウォン(約114億円)を突破する可能性がある。

TEMUなど中国からの越境ECが急増

そしてもう一つ大きな理由として挙げられるのはTEMU、AliExpressなどの中国系の越境ECサービスの韓国国内での成長がある。

3月20日、韓国関税は2023年、海外から来たネット通販は1億3144万3000件で36.7%増加し、さらに中国から来たネット通販の件数は8,881万5000件で、前年(5215万4000件)より70.3%増えたと発表した。コロナ禍が収まり越境ECが再び活発化したなかで、中国からの越境ECがさらに急増しているわけだ。

なかでも日本でもネット広告などを大々的に展開して話題を呼んだ中国のネット通販企業TEMUは、日本と同じ2023年7月に韓国でもサービスを開始した。半年で581万人の利用者を獲得し、韓国国内の総合ネット通販のシェア第4位に躍進している。

また、2018年に韓国市場に先行進出したアリババ傘下のAliExpressは、2023年10月に韓国商品専門館であるK-ベニュ−を開設して韓国の販売業者を集め、取り扱い商品に加工·生鮮食品を追加。これにより利用者数も急激に増え、アプリの月間利用者数は818万人と前年同期比(355万人)230%もの増加となり、総合ネット通販のシェアで2位まで駆け上がり、今後クーパン(3010万人)追撃に狙いを定めてくることが予想されている。

イチゴ1パック100円で攻勢かける中国

事実、AliExpressは最近、超低価格商品を次々と発売し、顧客の獲得に乗り出している。イチゴ1パック1000ウォン(約114円)、卵2パックで1000ウォンといった具合だ。 また、親会社であるアリババグループは、ソウル近隣に大型物流センターを建設するなど、韓国に3年間約1兆4000億ウォン(約1,600億円)を投資する計画だという。

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